猿投の桃の花、車でドライブしながら撮影スポットを探していると、猿投山の麓、舞木町から加納町にかけた桃畑一帯は、ピンク色が目立って、カメラマンを誘惑する。
ところが「この一角からがベストな撮影名所」というのが見当たらなくて、付近全体がそれなりの写真名所となって、ぼんやりというか散漫になってしまうため、その素晴らしき猿投の桃の花ワールドをどう写真に収めようかと考えるのは、いつも悩みどころだ。
地元民にしか分からないが、桃の恵みをくれる地元の神様・猿投山の稜線を遠景に桃の花を撮る挑戦をしているが、これもどうだろう。
至近距離で桃の花を撮ったり、地面にある紫の春のお花にかけて撮ったり、超望遠レンズで桃の花のまとまりを狙ったり。
まぁ自分が思うがままに撮ればいいさ、ピンク色の濃い桃の花だから、どれも絵にはなる。
気をつけているのは、この猿投の桃畑は観光農園ではなく、リアルな商業農園だから別に写真家のためにやっているのではなし、つまり下手に桃畑を踏み荒らしてはいけないということ。
写真のためには桃の木の下に入り込んで、自分好みのアングルをゲットしようという写真家根性が働くが、それこそが桃畑家が嫌がる畑荒らしの悪党になってしまう。
すでに踏み固められた畑の道にお邪魔するところまではするが、自分の一歩で足元の草花が成長を止めてしまうような場所へは入り込まない。
僕が単焦点レンズしか持ってこない写癖があろうとも、足で稼ぐ写真スタイルは猿投の桃畑のバランスを崩してしまうから、足ではなく撮影焦点距離で工夫するのが賢明ということ。
こうして桃畑家vs写真家の長続きする関係に配慮しつつ、猿投の桃の花のピンク写真を楽しむ、猿投山麓の春の季節行事を過ごすことができた。
桃の花に、こんな空想は失礼かな。
「桜と同時期に満開になるし、色もピンク系でちょっと似ているから、桃の花は割り損をくらっている。本来はもっと注目されても良い春の花なのに」
愛知県豊田市の猿投山麓に広がる「猿投の桃畑」を訪れて写真を撮る。
だが、僕の心も実は揺らいでいる、「あっ、桜の写真を撮りに行かなくちゃ」
猿投の桃の画像を撮っていても、副役にしか感じていない。
まだ5分咲きレベルの桃の花、暖冬でも3月28日の朝のこと。
そんな雑談になったが、猿投の桃が豊田市桜の名所と並ぶ、春の写真撮影スポットであることは揺らぎない。
空想してみる、もしも、猿投の桃の花が、満開時期をあと2週間ずらしてくれていたら?
不幸なことにこんな可愛らしいピンク色が、桜の満開とほぼぴったり重なるから、猿投の桃の写真を主役にがっつり写真撮影できない。
どうしてもより華やかな桜の写真撮影に向かってしまうからね。
桃も桜もどっちも撮りたい欲張りカメラマンたる僕には、その満開時差を付けてくれるとありがたいのだがな、猿投山の神様よ。
時間を惜しんで、あちこちの豊田の桜名所へ飛び回る僕。
その合間で猿投の桃畑にも寄って写真撮影。
だから、もしも猿投の桃の花の満開をずらしてくれたら有難い、週をまたいで桃も桜も楽しめる。
猿投山と猿投神社からの賜物、それが猿投の桃だと信じている僕。
こんなにキレイなのに、花は桃のメインではない、実に華を譲った脇役。それでもこの色を好んでいるよ。
猿投の桃畑・桃の花の写真、一眼レフ撮影スポット
春は桜だけではありません、桃のピンクと青空の色合わせ。
地面すれすれに視線を向ければ、こんな色使いが見えてくる。
猿投地区は桃の名産地、その味も美しさも地元の誇りね。
存在を訴えてくる濃いピンク色、猿投山と猿投神社に見守られて。
豊田市の桜名所を回る旅すがら、猿投地区の桃の花を見てみてよ。
観光地ではない猿投の桃、見物する時は農家の方に迷惑かけないように。
あくまで桃農家さんの仕事場敷地内ということを忘れずにね。
華やかな桃の花の色、春の訪れを雄弁に語ります。