オハイオ州デイトンという15万人都市をランニング。
2019年8月に銃乱射事件があったので、治安を心配してこのページを見てくださる方が多い。
あれは深夜1時のデイトン・ダウンタウン中心部のナイトクラブという、普通の日本人観光客が行くはずがない特殊な場所で起こった事件。
そのことを除いたとしても、デイトン(ダウンタウンに限り)の治安は良くないというのが私の体験談だ。
航空宇宙、最近では自動車関係での工業都市として栄えたデイトン。
あの有名なライト兄弟が生まれ、彼らが生涯ほとんどをデイトンで過ごしている。
昨今はデイトンのダウンタウンではなく、市外や周辺一帯に産業の中心が移り、デイトン市内では空洞化が激しいと聞いていた。
実際に訪れてみると、まさにその通り。
街の箱自体は大きいのだが、人口や経済のドーナツ化が著しい。
まぁそれってアメリカの中都市の大半で同じことが言える。
ダウンタウンが栄えているって、大都市すぎて車乗り入れが難しいニューヨークやらシカゴやら、
そういうメガ都市を除けば中心が空いたドーナツ化は一般的なことだ。
ダウンタウンの雰囲気は良くなく、デトロイトやアトランタのダウンタウンほどでもないが、治安に不安を感じる。
それでも僕はわずかな時間、なるべく明るく視界が開けている道に車を停めて、
メインロードを走り出す、いつでも全力ダッシュで逃れる装いで。
乱射事件のあった飲み屋街「オレゴン Oregon」とは別の本当のダウンタウン。
オレゴンとダウンタウンは1kmぐらい離れている。
偶然かもしれないが、ダウンタウン中心部のバス停でたむろしてバスケットボールで遊ぶ子供たち。
数時間前に走ってきた、同じオハイオ州のコロンバス市内では見られなかった光景が続く。
平日は商業活動で一定の賑わいがあるのだろうが、土曜日の今日は街に音と色がない。
雰囲気の悪さにもめげず、RUNでデイトンのダウンタウンをパトロールし続ける僕。
独り言を大声でつぶやいている人、やる気無く歩いている人、「治安良くないフラグ」が立ちまくり。
どうもおかしい、何かが違うのだよ。
1kmも走ることなく、早々に車へと走り戻って、アクセルを踏んでダウンタウンを離れた。
デイトンのダウンタウンを一望できるディーズ・パーク・ドライブへ。
ここら辺まで離れれば普通のアメリカ中規模都市のイメージで町並みも普通。
距離にしたらダウンタウンから1.5kmしか離れていないけど、まぁここまで徒歩でくる怪しげな人はいないから。
マイアミ川とマッド川の合流地点の向こうに、デイトンのビル群が見える素敵な場所。
なんという強運か、ディーズ・ポイント MetroPark名物の放水の時間に遭遇して、フォトジェニックなシーンになった。
1人1台の車移動が大前提になっているアメリカでは、
ダウンタウンに行くことは少なくなって、スペースに余裕のある郊外に機能が分散している。
だからデイトン=すぐ危険、という発想はもちろん間違い。
デイトンのダウンタウン=すぐ危険、も正しくない。
デイトン、ダウンタウン、夜中、飲み屋、この4つが重なったら、それは保証できないということね。