2020年4月6日
虎渓山永保寺は、森の中央に切り開かれた非現実的な一角に登場してくる。
岐阜県多治見市、ほぼ土岐市との境、虎渓山(古渓山)という自然の中を歩いていくと、
ちょっと場違いなほどに整備された日本庭園と禅寺が現れる。
大きな池とその池にかかる無際橋は国の名勝で、ぐるっと全方向を虎渓山の森に覆われている。
きっと上空から見たら真円の中央が無際橋になるのだろうな。
日本人である僕の過度な期待だな、あらゆる寺院仏閣に桜の名所を見出そうとしてしまう。
桜の名所なのか、虎渓山永保寺は?と良い桜写真を求めて線路沿いの駐車場からトボトボと歩いて、国宝・観音堂と永保寺庭園へと向かう。
一言で言うと、虎渓山永保寺は桜の名所を目指してはいない。
日本庭園にかかる桜を期待したが、遠くの森の一角に山桜はあれど、それが禅寺らしい建物とシンクロすることでもなく、
飛瀑泉や六角堂に重なり合うことでもない。
雲水たちの修行道場を併設している虎渓山永保寺らしく、観光目的ではないのだ。
僕は寺壁にある虎渓山永保寺の文字を無理矢理写したり、土岐川まで歩いて森から姿を見せた山桜を狙ったりするが、
どこをどう撮っても桜の名所写真とは言い難い。
紅葉時は絵になるお寺と聞くが、春の名所ではなかったのかな。
ずっと静かなお寺、春の陽気に惑わされることもない。
そう言えば、虎渓山永保寺から車で5分少々のところに「イオンモール土岐」というメガサイズのイオンモール旗艦店ができる。
さらにその先には昔から土岐プレミアム・アウトレットというそれは賑やかな商業施設がある。
当然ではあるが、そんな現実からは遠い存在を続けている虎渓山永保寺、この場所の空気感は他の誰にも邪魔されないさ。
桜名所という意味では、虎渓山ふもと、19号線からわずかに入ったところにある多治見修道院の入り口にある桜の木が美しい。
10数年前は中に入ってステンドグラスの美を拝見できたが、今はどうなのだろうか。
2013年撮影の永保寺
虎渓山永保寺は、多治見の名刹
雲水たちの修行の場であり、そして紅葉の名所でもある
虎渓山と呼ばれるだけに、虎が現れた
瓦に名前が書かれていたのが気に入って
散歩していると色々な見所に出会ったよ、永保寺、素敵な散歩時間をありがとう