IKEA広島オープン論争に終止符が打たれたようだ。
2021年11月に「イケア広島の用地・広島駅北口の土地を、IKEA JAPANが住友不動産に売却した」との報道。
オープンの中止が確定、そしてIKEA広島は幻、広島駅北口の再開発は別角度から行われる。
47億円で購入した用地、地下価格は1.5倍も上がったから、IKEA広島はまさかの土地活用で収益を残した結果に。
もうIKEA広島オープンの夢はおしまい、撤退で決まり、終わった何かが後戻りすることはない。
これ以上ない駅前一等地に用地を確保したが、
2013年6月のイケア広島オープン計画発表以降に前向きな決定事項はなかった。
広島駅の北口、ちなみに広島平和公園やマツダスタジアムなどは全て南口になるから、北口=再開発中の場所なのだが、
駅の改札から600mぐらいの一等地にイケア広島の予定土地が確保されている。
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IKEA広島の動画を、YouTubeにあげました!
エキキタの目玉商業施設になるはずだったイケア広島、もちろん中国地方で唯一のイケアで、
四国と合わせた中四国、さらには島根と山口県東部を合わせた一帯で、広島市がトップを走っていることの象徴になるはずだったのにね。
今はタイムズの時間貸し駐車場となっているイケア広島建設予定地が虚しい。
- 広島市単独人口は、119万人
- 広島県全体ならば、281万人
イケアの商圏最低人口は100-150万人と言われているから、数字的には合う。
なのにどうしてイケア広島はオープンに向けた着工が行われないのか。
2017年には愛知県長久手市でイケアがオープンしていて、2021年時点でこれが最後に作られたイケアストアになる。
愛知県や隣の岐阜・三重を合わせても、東海地方にはこのイケア長久手1店舗しかない。
愛知県単独人口は755万人だから、広島と比べられるとちょっと困る数字だ。
オープン凍結中のイケアは、何も広島だけではない。
- 札幌市(市単独人口:195万人、北海道全体人口:528万人)
- 群馬県前橋市(市単独人口:33万人、群馬県全体人口:192万人)→これは2024年1月に開業した!
この2都市・札幌と前橋も同様だ。
札幌市はニトリ本社があることも影響した、前橋は北関東からも商圏にしているだろうから、広島とはまた事情が異なる。
いずれにしても、この3つであればイケア広島の商圏人口は札幌に負け、前橋と同格。
まぁそんな事実は今更と言うか、2013年6月のオープン計画発表時に分かっていたこと。
イケア広島の計画中止決定はまだ下されたわけではないが、
2019年8月にイケア札幌中止確定発表に当たって、イケアジャパンが発表した内容が重い。
・IKEAは2016/8まで黒字だったが、2017/8で約14億円の赤字、 2018/9で約30億円の赤字、2019/8で約8億円の赤字、と深刻な業績不調 |
・背景として、郊外にIKEA大型店舗を出すビジネスモデルが成り立たない (イオンモールやコストコみたいな郊外大型店舗では、家具店は儲からない) |
・今後は都市中心部にIKEA小型店舗をオープンさせ、 アンテナショップとして集客(販売はオンラインや取り寄せ)するビジネスモデルに転換 東京の原宿に、通常店舗の面積1割のIKEAショールーム的なものを作ったが、今後はこのタイプが中心になる |
そうだよね、従来の大型イケアストア店を広島にオープンさせたとして、確かにイケアジャパン全体の黒字転換に役立つとは言えない。
むしろ赤字の阻止にはイケア広島の凍結が最良の選択肢であろうね。
ましては2020年初からの新型コロナウィルス禍で、あらゆる経済活動に失速が起きている今、
IKEA広島のオープン計画はずっと遠かったと読んでもいいかもしれない。
繰り返すが、イケア広島の計画中止は確定してしまった。
これらの情報を総合判断すると、少なくともイケアジャパンが黒字化しない限りはイケア広島のオープン復活は見込めないし、
オープンするにしても静岡が動いた後になるだろうな、ということが分かったよ。
小さくても良い、東京都心型と呼ばれるミニIKEAでもいいから、広島にできてくれないかな、と最後にしつこく祈ってみる。