日本政府が怒るとは、どういう内容になるのだろう。
中立でありたいから、政治経済のことをブログに書くつもりはなかったが、
一人の日本人として、あまりにも興味があるものだから、
日本政府が発動した、韓国への経済制裁・対抗措置をまとめてみた。
まとめ中のまとめ
内容 | 経済規模(売上) | |
2019年6月 | 水産物の検査強化 | 50億円 |
2019年7月 | 半導体材料の輸出規制 | 17兆円 |
始まりはスローペース。
日本人らしく控え目な初動で、これって経済制裁なのかなぁ?というレベルだった。
制裁① 韓国産水産物への検査強化
内容 | 私が感じたこと | |
発表日 | 2019年5月31日 | いよいよ始まったか |
発表者 | 菅 義偉 官房長官 | いきなり官房長官が 発表=怒ってる |
実施日 | 2019年6月1日 | 発表翌日=重い内容 |
管轄省庁 | 厚生労働省 | 外交と直接関係ないから 制裁第一弾としては適切 |
概要 | 韓国など複数の国から輸入される海産物へ、 検疫所での検査体制強化 | 韓国限定ではなく、日本国民の健康を守る という建前があり、制裁第一弾としては適切 |
詳細 | 対象物は ・韓国産ヒラメ ・韓国を含む複数国から輸入される 生食用冷蔵むき身アカガイ、 タイラギガイ、トリガイ、ウニ | 上と同じ |
経済規模 | △ 小 ヒラメだけで年28億円ほど (韓国が全世界に輸出するヒラメの半分は日本に輸出) | 軽いジャブだなぁ |
特記事項 | 「韓国への対抗措置ではない」と 菅 義偉 官房長官が記者会見で明言 | あれ?これは制裁? 制裁じゃない? |
この制裁第一弾は真偽が分からずにいた。
特記事項にある通り、「韓国への対抗措置ではない」という明言が付いていた。
言葉の裏を読み取れ、という日本人らしいやり方なのかもしれないが、
それでは世界の人の何割が理解してくれるか、疑問だったからだ。
2019年6月28〜29日に大阪で行われたG20サミット。
安倍首相と、韓国の文在寅大統領との無味乾燥な5秒握手、首脳会談はせず。
この大きな国際行事が終わるや否や、大きな発表があった。
制裁② 半導体材料の対韓輸出規制
内容 | 私が感じたこと | |
発表日 | 2019年7月1日 | G20サミット直後、そして トランプ大統領が韓国訪問翌日 =日本政府の大激怒 |
発表者 | 経済産業省のニュースリリース 西村 康稔 官房副長官の記者会見 | 大臣クラスが説明して欲しかったが、 非難の応酬になるのを避けたということか |
実施日 | (半導体)2019年7月4日 (先端材料)2019年7月1日から意見聞きつつ 8月1日から開始予定 | 発表3日後=本気だ |
管轄省庁 | 経済産業省 | いよいよ本丸 |
概要 | 1)半導体材料の輸出規制を韓国のみ実施 2)先端材料の輸出優遇国から韓国を除外 | 韓国のみ、しかも経済影響最大の物を選択 =本気度MAX |
詳細 | 1) ・フッ化ポリイミド ・レジスト ・エッチングガス(高純度フッ化水素) 2)先端材料の輸出許可申請が免除されている 外為法の優遇制度「ホワイト国」から韓国を除外 | 難しい名前の工業素材だが、日本ならではの 高技術が必要とされ、他国での代替え品がない 韓国最大の産業である半導体製品を作る サムソン/SK/LGに大打撃=韓国経済に大打撃 |
経済規模 | ◎ 特大 | いきなり17兆円規模の制裁 これは本気! |
特記事項 | 「韓国への対抗措置ではない」と 西村 康稔 官房副長官が記者会見で明言 見直しの理由を「日韓間の信頼関係が著しく損なわれた と言わざるを得ない状況」と明記 | 冷静な怒りを感じる |
詳細情報
日本生産品の世界シェア | 用途 | |
フッ化ポリイミド | 90% | スマホやテレビのディスプレイ素材 |
レジスト | 90% | 半導体製造に 必須な感光液 |
エッチングガス (高純度フッ化水素) | 70% 中国にある日本企業の シェアを含めれば90% | 半導体基板の 表面処理用ガス |
↓
これがどれをかけても、半導体製品の製造は不可能!
韓国の経済規模GDPの20%は半導体製品によるもの
2018年 韓国 経済規模 GDP | 221兆円 |
うち、サムソングループは18% | 40兆円 |
サムソン電子の70%は半導体関連 | 28兆円(売上高) |
SKハイニックス等を含めれば 韓国 経済規模 GDPの21%は半導体 | 44兆円(売上高) |
日本製品シェアは90%なので 仮になんとか20%を確保したとしても・・・ | 35兆円(売上高) がなくなる |
サムソン電子の営業利益率は22%なので・・・ | 7兆円(営業利益) がなくなる |
韓国側もこの制裁を予想していただろうから 供給元の多角化を実行したとして | 35兆円(売上高)の半分としても 17兆円ってハンパない |
売上高35兆円 ⇄ トヨタ自動車 2018年度 売上高30兆円
仮に、トヨタ自動車と関連企業がなくなったら日本のGDPの5%が減少
サムソンや半導体関連企業がなくなったら韓国GDPの21%が減少
100のうちの、ただの21ではない。
韓国の経済状況から見て、現状最も付加価値の高い21%への壊滅的打撃。
エースを失ったチームは復旧できないことがある。
復活できたとしても、次の柱を築き上げるまでにどれだけの労力がかかるか。
残されたメンバーは、自動車・鉄鋼・船舶の輸出と古いタイプで、
日本と産業タイプが被る=日本の得意分野での競争相手。
つまり、この経済制裁は・・・
私は思う。
主力の21%に壊滅的打撃を受けて、そのまま継続できる組織なんてあるものか。
普通の組織ならば、打撃を受ける前に和睦を計る。
それをしなかったら、21%どころか、後日の100%破滅さえ現実に。
だから、韓国から白旗を上げて和睦の道を探って欲しい。
「ごめんなさい、全面降伏です。和睦の条件を受け入れます」
そう言う勇気がなければ、国家としてのGDP 21%後退が不可避だろう。
とは言っても、この2つは対抗措置ではない。
事実上の対抗措置だ、とネットでは書かれているが、
冷静に見れば、問題があるから優遇→優遇なしに戻しただけで、優遇→冷遇ではない。
「本当の対抗措置はもっと厳しい」という脅しにも見える。
今までココ→ | 優遇 | ホワイト国 (輸出許可申請免除) | 米国・オーストラリア など26カ国 |
今ココ→ | 通常 | 非ホワイト国 (輸出許可申請要) | 中国・韓国・インド 台湾・シンガポール など多数 |
次ココ?→ | 冷遇 | 武器輸出禁止国 (制裁中、輸出不可) | 北朝鮮 など11カ国 |
日本人は大人しいと言われるが、筋道を通しつつ、最大の制裁を出してきた。
ようやく正解に辿り着けた気がして、僕は至って満足だった。
韓国への経済制裁・対抗措置まとめ、日本政府の怒りについて、
まだまだこの記事を更新していこうと思う。
興味があるから、社会がどう反応するか、知っておきたいから。