小山城(こやまじょう)、静岡県の吉田町にある遠江国、規模が小さいながら恐怖の築城技術がはっきり残る城。
大井川の西岸、つまり遠州の東端にあって、駿河国からの侵攻に備える位置にある小山城。
三日月堀の保存状態が最良でした、馬場信春さん(武田信玄の重臣)の作品。
模擬天守は観光用の展望台だから、お城ファン的にはどうでもいいけど、この堀の維持ぶりに頭がさがる。
当然当時はもっともっと深かったのだろうし、木橋もなかったのだろう、とかを考えていた。
丸馬出がはっきり見える、左右の少ないスペースから出入りするのね、赤い橋の右側が本丸だから、その直前の防衛基地。
早朝すぎて模擬天守展望台には入れず、どうやら上からの眺望は素晴らしいらしい。
本曲輪と二の曲輪を仕切る堀、この小山城は三重の堀が念入りに巡らされたテクニカルな縄張り。
本曲輪は真っ平、ここまで敵がたどり着いてしまえばもう防ぐものはない、生活のための快適スペース。
恐怖の三重の堀、お城の一番外側にある堀だが、その深さと造成に当たっての執念深さには恐るべきものを感じる。
近くの諏訪原城もそうだけど、武田氏によるテクニカルな堀と築城技術は、今見ても怖い、生死に関わる防衛だったと伝わってくる。
大手門の美しさはただならないもの、まっすぐな大手道を登って、この眩しい景色が迎えてくれた。
大手門の足場跡が4点はっきり残っていたので、まじまじと見ていた。
予想外に(失礼)素晴らしかった、遠州小山城の遺構、広くはないが恐るべき技術が今でも見てとれるお城でした。