個性様々なお城を幾つも見てきたが、信州・松本城はまた独特。
白亜のお城が流行る?中、徹底した黒色、だからニックネームが烏(からす)城。
もしもの話、上の写真の松本城が戦国時代に存在していたら、攻め手はどう攻略すれば良いのだろう。
水堀の幅は広く、石垣は上に高く、どう工夫しても四方から攻め登ることは不可能。
細い橋を通って城内に入るしかないが、それでは大軍で攻めたとしても守る側の方がずっと有利。
桜満開の時期に訪れた松本城、桜写真も織り交ぜよう。
水堀にかかる桜は、日本の美を体現しているようで、一際美しい。
ずっと向こうの積雪アルプスは松本城が信州にあることの証ね。
外観が黒い烏城、まるで黒い甲冑をまとったお城のよう。
色が黒いことで、守備力が高いイメージを抱かせてくれる。
今は水堀だが、それが戦国時代は空堀であろうとも、この幅広な堀なら難攻不落だろうよ。
兵糧戦でしか勝てないよ、松本城を攻めるのなら。
四方を取り囲んで、城内の兵糧がなくなるか、内部崩壊を待つしかないでしょ。
カメラマンなのに、攻城側の将になったつもりであれこれ考える。
信州きっての桜名所でもあるのが松本城。
それは桜をバックに結婚式前撮り写真も撮りたくなるのも分かる。
松本城と朱色の橋の相性が良い、そこに桜色も入っているから、春の和風色。
この斜めの角度、松本城の尖った個性が表れているようで僕は好きなんだ。
松本城の画像がもう一度撮りたかった。
2009年に訪れた時、「烏城」の異名を持つ松本城の黒の概観が印象的で、記憶に残っている。
高遠城の桜を撮り終えた後、桜と城のコラボも良いモノだろうと松本城まで車を走らせた。
あいにくの白い空だったから、堂々と撮れなかった。
からっと青空になってくれていたら、C-PLフィルタを利かせて撮れたのに。
松本城をぐるりと一周歩くと、桜満開のタイミングだったから、みんなが楽しそうに散策していたのが微笑ましい。
しかし僕は一人、カメラの技巧に走り、あぁでもない、こうでもないと城と桜を睨みつける。
30秒の長秒露光、超望遠レンズ、三脚も持って歩き、カメラマンとしてできる限りのことをした。
松本城と桜の画像、課題は空だった。
やはり時間帯は早朝か夕暮れ時でないと、写真の空部分に個性が出ない。
はっきりした青空の日中でもないし、夜のライトアップに撮れたわけでもないから、
空に色が付いていなくて、白っぽい無味無臭の空になってしまった。
桜満開だけでも満足しなくちゃ、そこに青空が重なるのはかなりの幸運なのだから。