新潟市は、80万人もの人口があり、政令指定都市にもなっている都会だ。
イケア新潟のオープンを阻むものなんて、何もないだろうよ。
越後・新潟県のみならず、日本海沿いでは新潟市より大きな街なんてない、
新潟市にできなければIKEAは日本海側には出店できるものか。
そのぐらいの覚悟と、新潟へのプライドを持ってこの空想記事を書いている。
ところが大局的なビジネスは、数字から成果を読み解かなければならない。
20ある政令指定都市を人口順に並べてみて、
そこにイケアとコストコが近郊にあるかないかを書いていく。
人口 | コストコ | イケア | ||
神奈川県 | 横浜市 | 374万人 | ○ | ○ |
大阪府 | 大阪市 | 274万人 | ○ | ○ |
愛知県 | 名古屋市 | 232万人 | ○ | ○ |
北海道 | 札幌市 | 197万人 | ○ | ×断念 |
福岡県 | 福岡市 | 159万人 | ○ | ○ |
神奈川県 | 川崎市 | 153万人 | ○ | ○ |
兵庫県 | 神戸市 | 152万人 | ○ | ○ |
京都府 | 京都市 | 146万人 | ○ | ○ |
埼玉県 | さいたま市 | 130万人 | ○ | ○ |
広島県 | 広島市 | 119万人 | ○ | ×断念 |
宮城県 | 仙台市 | 109万人 | ○ | ○ |
千葉県 | 千葉市 | 98万人 | ○ | ○ |
福岡県 | 北九州市 | 94万人 | ○ | ○ |
大阪府 | 堺市 | 82万人 | ○ | ○ |
新潟県 | 新潟市 | 79万人 | ×ない | ×ない |
静岡県 | 浜松市 | 79万人 | ○ | ×ない |
熊本県 | 熊本市 | 73万人 | ○ | ×ない |
神奈川県 | 相模原市 | 72万人 | ○ | ○ |
岡山県 | 岡山市 | 72万人 | ×ない | ×ない |
静岡県 | 静岡市 | 69万人 | ×ない | ×ない |
この単純作業をした結果をじっと見ていると、数字が語りかけてくるものがあった。
そうだ、イケア新潟のオープンプランを数字とマル・バツが予言してくれる。
- イケアが出店計画していない政令指定都市で、人口が最も多いのが新潟市
- コストコも新潟に出店していない、一方で浜松や熊本には出店している
どうしてだろう?
新潟がすっ飛ばされているように見えるね、イケアからもコストコからも。
ほんの概略になるが、新潟市のあらましを抜粋してみよう。
- 新潟市単独人口は、 79万人
- 新潟県全体人口は、222万人
- 平均年収は366万円(全国平均:442万円)と、全国で下から5番以内
- 第3次産業(小売・サービス業)の比率が8割と高い、農林水産業は1%程度と低い
- 新潟県は南北に長く、隣接県の大都市と新潟市は距離が離れている(新潟市は地域での単独大都市の典型)
つまり、もしもイケア新潟をオープンさせるのならば、新潟県内の需要でイケア新潟を十分に儲けさせなければならない。
「イケア越後」とでも越後国の愛国心をくすぐる奇手を取ったとしても、なかなかできることでもない。
他の地域独立系大都市で言えば、
- 宮城県仙台市は、イケアもコストコも出店している
- 熊本県熊本市は、ミニ・イケアは撤退済み、コストコは2021年に出店した
- 岡山県岡山市は、イケアもコストコも出店していない
静岡県の二大都市・浜松市と静岡市は、東海道沿いに中小の都市が並んでいて、
かつ浜松市と静岡市の距離は80kmと、双方で補い合える関係だから、地域独立系大都市とは言えない。
新潟市は採算計画ギリギリライン上なのだろう。
単独人口100万人は越えず、でも70万人は切らず。
籠城している新潟市で、他県からの援軍は土日に少々くるだろうが、
平日は買い物客がIKEA新潟までくることが見込めない。
行け!行け!どんどん!とショッピングモールがオープンしていた時期ならまだしも、
2020年からの新型コロナウイルスで、数年間分は景気後退すると言われている2021年以降に、
IKEA新潟がオープンする理由は見当たらない。
時代は変化してしまったよ、IKEAは原宿にミニ・イケアを作るなど、郊外大型店から都心小型店へシフト。
コストコはまだチャンスがあるかもしれないが、まだコストコ新潟のオープンは風に聞こえてこない。
起死回生のオープン作戦はひとつ、新潟市の同じ敷地内に、
ミニ・イケア と、ミニ・コストコを並立させて、相乗効果で集客力を高めること。
駐車場や土地整備を共同実施したら、コスト改善が図れるのかもしれない。
夢のようなイケア・コストコ両立策だが、大型店を捨てて小型~中型店に転換すれば、
イケア新潟・コストコ新潟は現実のものになるのかもしれない。
そうだ、時代が変容しているなら、フルサイズIKEAにこだわらず、ミニサイズのIKEAでいいじゃないか。
それが新潟へIKEAをお招きする最短の道ならば、そう反対する人もいないでしょうよ。