2025年8月15日
若者の通過儀礼、日本にもまだ残っているんだと知った乗本万燈という火祭り。
男子のみ万灯山に上がることが許され、親や先輩男性たちに導かれながら、火のついた万灯を振り回す。
10代だろう少年が少々臆しながらも火の玉を何度も振り回す、そんなことができれば日々の生活でもなんでもできるさ。
煙と蚊に遮られながらも、私も万灯山の舞台横で一脚とカメラを構えて、この年1回の火祭りを見届ける。
昔も今も変わらないもの、この乗本万燈という儀礼は変える必要がないな、いつか若者たちがいなくなってしまうにしても。
巨大なファイアーボールが円を描いて回り続ける、その熱さと恐怖心に打ち勝てよ、青年たち。
写真撮影としてはハードな場です、700枚ほど撮ってベストな10枚を編集してここに載せたけど、
炎が明るすぎるから白トビが、周囲が暗すぎてブレが、もはやカメラの性能に任せて連写するのみになる。
SEL50F12GMのF1.2の明るいレンズと、一脚を使ったα7IVが、僕の意図した通りに作動してくれて、何枚かは良い写真を残した。
本当の偶然ではなくて、僕が狙った絵がその通りできるのも、僕がカメラ機材の使い方を熟知しているためだから。
親子かどうかは分からないけど、うまく回せなかった少年を指導した年長者、一緒に回して成功した時の少年の目は輝いていた。
腰を落として、安定的な腕振りを得るのだろう、そして胆力と。
男たちが行列をなして登場してくるシーン。
自分たちの集落に向けて火の玉ボールを振る、そんなお盆の伝統行事、乗本万燈の写真。
私にとっては12年ぶりの乗本万燈、この間の私の写真技術の習得ぶり、NIKONからSONYに乗り換えた機材のレベルアップぶり、
その影響で、当然ではありますが、12年前の写真を上回る画質品質の写真たちが撮れたつもりでいる。
2013年8月15日
8月15日は嬉しい意味で忙しい。
19:30開始の乗本万燈を写真に収めた後、21:00開始の火おんどりに間に合わせるため急いで移動。
これが成り立つスケジュールなのが新城の奇跡。
地元の方々が大日堂に会し、秋葉神社の火で万灯に点火する。
万灯山に登って、集落を見下ろしながら万灯を回し続ける。
眼下は暗闇のみ、場所が広いので横に3人並んで振り回す。
大人だけでもなく、子供だけでもなく、励まし合いながら松明を振る。
鉢巻き・さらし・草鞋・白袴の衣装が揃い、太鼓・鉦・笛の囃子もあって雰囲気極まる。
遊びでもなく、暗い宗教行事でもなく、勇ましい伝統行事。
集落からこの火振りを見上げてもキレイだろうし、近くで見守っていてもキレイ。
伝統を感じる乗本万燈、写真に収めることができて満足だ。