古都奈良の名刹といえば、薬師寺は欠かすことができない。
イメージとして、古い順に名を挙げれば、法隆寺>薬師寺>東大寺なのかな、
と思っていたが、実際に調べてみるとその通りだった。
法隆寺は、607年創建と伝えられる。
薬師寺は、680年創建。
東大寺は、701-750年のどこか。
でもあまり差はないのね、奈良時代(710-794年)に天平文化として時代を築いたお寺たち。
上の西塔は、青丹(緑青・朱)の色合いに忠実な、奈良らしい建築物。
上の東塔も、当時は同じ色使いされたのだろうが、創建当時から残る貴重な建築物と聞くから、色はすっかり失われている。
凍れる音楽、というハイセンスなネーミングがある薬師寺東塔、2009年から2020年までの修理期間のほぼ終わり、覆いが取れて間も無くリニューアル完了だろう。
薬師寺は蓮の花の名所。
お釈迦様の台座は、蓮の花。
だから、薬師寺と蓮の花の相性は良くて、心にすっと入ってくる気がする。
桜よりも紅葉よりも紫陽花よりも、蓮の花は青丹の金堂にマッチする。
鐘楼周りにも蓮が並べられていた、この鉢植えの数を揃えているとは薬師寺は蓮に本気。
金堂、大講堂で出逢った仏像群は圧巻の本物たち。
奈良時代から1,300年も残されている文化財、先人たちの保守保管の意志の強さに頭が下がる。
閉館間際の大講堂、横幅41mというのは他の寺院はあまり見かけることがない巨大さ。
白鳳伽藍から玄奘三蔵伽藍への道、何気ない通路に美を感じた。
これぞ奈良時代の色、京都とも異なる色彩ね、奈良の方が派手に感じる。
初めは飛鳥で創建された薬師寺、平城京遷都の後で現在の西ノ京へ引っ越してきた。
広い境内に多くの建築物、それは長年続いているから天災・火災でひとつ失われ、先人たちがひとつ再建、その繰り返し。
1,300年、人から愛されてきた薬師寺、理由はともかく終わらせてはいけないもの、という存在ね。
この奈良薬師寺を撮るに当たって、カメラマン的に名所中の名所がある。
奈良大池と、国立病院機構 奈良医療センターが交わる池沿い。
ここから撮影される薬師寺は、奈良を代表する写真撮影スポット。
薬師寺参拝の時にもらった薬師寺パンフレット表紙の写真は、この大池から撮られたもの。
でもこの日は見事に雨で、薬師寺東塔の平成・令和の大修理後、でっかい覆いが取れた後だが、春日山は見えず。
付近に駐車場が全くないのは、観光地としての薬師寺の可能性を下げているな。
まぁ住宅街にある溜池だから仕方ないかもしれない。
肉眼で見るとこんな画角に近い、200mmぐらいの中望遠レンズから、ここ大池越しの薬師寺は絵になってくる。
朝焼けでも、若草山焼きでも、毎日の夕陽でも、大池越しの薬師寺は奈良を象徴する写真撮影スポット、また再訪として撮る日もあるだろう。
2010年撮影、薬師寺の写真
藤原京にあった薬師寺が、平城京遷都と共に飛鳥から奈良に移ってきた
東大寺や奈良公園から結構な距離があるのに修学旅行生で混みあう薬師寺
そのことが、この薬師寺の人気ぶりを示している
東塔は六重に見えて、実は各階に裳階という飾りをつけているから三重の造り
この独特の形が「凍れる音楽」という別称を呼び込んで、今も独自の美を見せています
「凍れる音楽」だなんて、なんとも詩的なネーミング
玄奘三蔵院伽藍という絵殿
中にはシルクロードの雰囲気を漂わせた大壁画がありました
薬師寺に散りばめられた美の結晶たち、これが古都奈良の文化財
薬師寺の写真にも「日本の美」を見つけたよ
意図的な飾りだとしたら、なんて見事なジャパニーズ・アート
薬草が道の両脇に植えられている、薬師寺ロード
お寺に咲く花は、いつも以上に美しい気がする
珍しいな、色彩ある阿吽像
新薬師寺のバサラのように、この色が風化して木目の肌が見えるのは、何百年後のことか
ここは薬師寺、世界遺産、古都奈良の文化財