川越南高校、その思い出は淡いレモン色に閉じ込められたままだ。
午前中の授業が終わって、学食にお昼を買いに行く。
今日は肉弁当にしようかなー、焼きそばパンにしようかなー、学食のカレーかなー。
廊下を曲がった先の購買は学食に向かう生徒たちも通るから凄い人波。
パンと清涼飲料水を買って教室に戻ろうとすると、初恋のあの娘の姿を見かけた。
薄暗い1階の廊下のことなのに、遠い記憶に尋ねてみると帰ってくる静止画はいつでも春の暖かさ、
窓からの光に溢れ、構内ラジオにはGeorge BensonのNothing Gonna Change My Love For Youが流れ、
味覚にはレモン水が残っている。
まだ何の力も持っていない少年だったはずだよね。
どれも下手で、分かっていなくて、結実したものは右と左の掌で容易に包み込めるぐらいなのに。
孤独と無力と鼻水に悩み、何をすれば良いのかヒントが得られず沈没していたあの頃。
自転車に乗ってB'zの音楽を聴き、推理小説とレモンティーとカールを毎月のお小遣いで買うことが楽しみだった。
もう戻れない異質の今なのにどうして思い出してしまうのだろう。
あの記憶を遥かに超える何かを打ち出してなければ、この先もずっと影がチラつく気がしている。
もうあれ以上の経験は幾度も積んだよ。
幸せな、愛しい、狂ったときはどれだけ知っている。
あのレモンの思い出はそれでも独立していて、僕が滅ぶまで僕に思い出させ、幸せに、悲しくさせてくれる。
どうしようもない、共存するしかない!
何の意味もない、ただ幸せに残った川越南高校、学食の思い出。
2024年4月1日
もう何年ぶり、何十年ぶりなのか分からない、でも記憶の中の光景と合致する川越南高校の風景。
コンプライアンスを守って敷地の外からの撮影、ただ僕の甘い辛い記憶を慰めるためだけの写真。
キャンプファイヤーを踊ったグラウンド、マラソン大会のゴールもここだったな。
野球部の練習場も、向こうの校舎も変わらない、あの中に入りたかったけど、僕にはもう入れない。
涙が出そうなのを堪えて眺めた弓道場、悔しかった初段試験、皆中なんて到底できなかった無力な少年の僕。
そうでした、裏の川には桜が咲いていたな、記憶の遠くにうっすら残っていた。
入試の合否結果を見に母と来たことを覚えている、部活終わりに仲間と騒ぎながら帰った校門。
この景色を忘れない、僕の居場所を作ってくれた部活仲間たちには感謝しかなかった。
布袋寅泰のYOUを聞きながらカマハンのチャリでサボりにきた川辺、僕の人格形成と詩的日記を生んだ場所ね。
父との明るい別れをして、心定まらず、この場所に来てしまった、僕の青年時代を象徴する記憶の場所に。
マツモトコウイチドットコム 松本鍼灸院
あの人はバスケットボールが好きだった、NIKEのエアジョーダンが好きだった。
僕もあの人も少年だった頃、川越という町での思い出。
当時からすれば、アメリカカルチャーを取り入れている先進的ボーイ、
そんな思い出のマツモトコウイチ氏。
一緒に文化祭で騒いだり、部活後の教室でダベったり。
あの人は話術に長けていて、みんなの間をつないでくれたことを覚えている。
鍼灸師になると聞いた時は、どこか以外だと感じた。
経絡治療を専門とした、日本伝統鍼灸ですと?!
もっと日本らしからぬものに邁進しそうな気配を感じていたから。
でもね、ネットで東洋思想などを情報発信し続けたり、
自分の城「松本鍼灸院」を安定運営したりしているのを見て、
「あーなるほどねー」と妙に納得したものだ。
マツモトコウイチドットコムではどんな新しい姿を見せてくれるのだろうか。
今を生きる姿に、昔の少年の面影を探す、そんな見方もいものさ。
マツモトコウイチドットコムへの応援ソングでした!