火祭りの写真はドラマティック、一瞬の写真撮影チャンスに傑作が撮れるか、見逃すかは出たところ勝負。
岐阜県海津市の今尾の左義長という火祭りは、カメラマンにとっては良い写真が撮れる可能性が高い日本のお祭り。
私の最良写真は上の一枚、撮影した瞬間はこんな良い写真が撮れたとは感じられなかったけど、後で見て自分でびっくり。
お祭り若者の体勢と表情、顔にピントがあっていて、火を蹴飛ばすような右足、背景のボケ方、ブラックミスト0.5の効果。
難を挙げれば上にもっと余白が欲しかったけど、予想していなかったジャンプを瞬時で撮ったから構図は組み立てられなかった。
奇跡ね、奇跡、私というカメラマンにとっては久しぶりの超傑作写真になった。
連写した次の一枚はガチピンではなくて残念、これもお祭り若者の体の技を見事に捉えていたのですが。
そして着地とはだける長襦袢、これも良かった。
400年の歴史がある旧正月(2月)神事の今尾の左義長(さぎちょう)、秋葉神社での火伏せ祭り。
女性ものの長襦袢、奇抜な化粧、町内の若者たちがそれをお揃いにして、火祭りを行う。
燃えた竹神輿をお掃除する祭り人たち、もの凄いススと煙、それから足元は灼熱だろうが突っ込んでいくスタイルの火祭り。
せっかくだからカメラマン向きの撮影情報を書き残しておこうと思う、日本の祭りを追う写真ファンたちのために。
- 外れた場所にあるから見物客がものすごい多いわけではない、何時間も前から場所取り不要
- 一発勝負ではなく、燃やす→祭るを町内ごとに何セットもやってくれるから、写真撮影好機が多い
- 毎セットの合間に人が移動するから、ひとつの場所に限らず、撮影角度を移動して撮れる
つまり写真の撮れ高が良い、コスパ/タイパが良い、お祭り写真撮影を存分に楽しめるってこと!
カメラ設定とか写真撮影条件で私が感じたこと。
- 祭り人たちとの距離は近い、私は35mm換算50mm焦点距離の標準レンズで撮りました、70-200mmが最良
- 夜祭りではなく、明るい昼間だからブレでの失敗作は少ない、ISOを上げる必要はない
- 三脚使用可な場所だけど、手持ち撮影で良い、機動力あげて撮影できる
撮りやすい、っていうカメラマンの大好物が揃っている環境です。
感覚的・印象的にはこれも大事。
- 撮影チャンスの瞬間ではひたすら連写して撮影する快感を味わえる
- 毎セットで自分の撮影を反省→次のセットで修正して別のカメラ設定でトライできる
- 祭り主役の若者たちは化粧をしているから、個人情報丸出しの写真にならず罪悪感薄まる
楽しかったのね、私は今尾の左義長の写真撮影を楽しんだってことね。
さて、良いことばかりではなく、悪かったこともちゃんと書いておこう。
- 風下に超大量の煙と煤が流れてくる、それを受けるとカメラ・服・持ち物が全て焦げ臭くなる、ずっと取れない
- 汚れもいい服装、目と鼻を守るゴーグル・マスクは必須、私はカメラにも雨よけカバーを付けて撮った
- 祭りにつきものだが、写真好機と好機の合間の待ち時間は長い
カメラの準備はもちろんとして、火祭り対策の服装と準備を忘れるわけにはいきません。
私は最初は秋葉神社の階段下にいて、火とススの被害をそう受けず、側面から撮影していました。
途中で顔正面が撮りたくなったので、道路側に移って風下の被害をモロに受けながら撮ってみました。
風下は本当にキツくて、根性のあるカメラマンが残っているだけで、
普通の人はあっという間に場を変えているから、途中で移動しても最前列か2番目が取れます!
身を低くしてスナイパーのように望遠撮影をします。
側面からの撮影でもなんとか顔は捉えられる、50mmの標準レンズで撮影。
覚悟を決めて風下から煙越しに、火種越しに、祭りの若者衆の表情を撮る。
みなさん良い表情をしておられる、祭りの高揚感が伝わってくる写真。
火祭りでありながらポートレート撮影のようになった。
最後は長襦袢を炎の中に放り投げる。
今尾の左義長という日本の火祭り撮影、私にとってはかけがえのない良作写真が撮れた経験になった。
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