五色園の桜写真は、誇張ではなく唯一無二のものとなる。
それは日本でただ1つだけの宗教公園ということがあり、浅野祥雲さんというコンクリート像作家が作った塑像が園内に多くあるから。
三千本ある桜だけにカメラを向けるのならば、五色園は普通の桜名所公園。
その桜に、仏教文化がかかった塑像を絡ませて撮るながら、他にはない写真となる。
浄土真宗の門徒たちが何かの議論を交わしているシーンと、桜満開のコラボって、不思議すぎて他ではありえない。
大安寺本堂一帯は桜の数が多く、僕はなんとか仏教美と桜美を重ねようと夢中でアングルを探した。
桜と自然を撮影する春カメラを続けていたここ数日、神社仏閣のエッセンスをちょっとだけでも加えると春の写真は日本らしさを一気に増して面白くなる。
そういう意味で大安寺は愛知県日進市の桜名所ということができる。
変わり種である、五色園の桜写真。
真っ直ぐである、大安寺の桜写真。
桜の向こうに透けるのは五色園墓地、桜と墓地の相性は良い。
ところで浅野祥雲さんの塑像は、関ヶ原ウォーランドや犬山桃太郎神社にあって、どれも強烈な個性。
それがこの日進五色園にも残っていて、桜と一緒に写真が撮れるとは激レアとしか言いようがない感じ。
ストレートな美しさは五色園には期待してはいけないけど、変化球でイレギュラーで混じりっ気のある桜名所が日進市の五色園だと、僕は承知している。
怖いもの見たさ、自分の肝の太さや寛容さをチェックするためにでも、五色園の桜を見にくるとよろしい。
こんなの桜じゃない、と切り捨てるのは誰でもできるけど、そこに何らかの美や個性を見出すのは容易ではない、懐の太い人間でないと叶わないというか、難易度の高い花見スポットして五色園はあなたを待っている。
2014年4月撮影
日進市の五色園は、3,000本の桜が咲く春の愛知県お花見名所とお聞きした。
あいにくの雨だが、桜写真を求めて五色園を訪問した。
親鸞聖人と修行僧たちの像、桜に囲まれると可愛い絵に見えてしまう。
花見をしてみるのかな?と思ったが、今日が桜満開であって年中ずっと桜に囲まれているわけでもない。
この1週間ぐらいは華やかだが、いつもは厳しい修行なのだろうよ。
ようやく迎えたハレの場、偶然カメラを携えてやってきた僕の目には年中パラダイスの五色園に見えたが、決してそうではないはず。
五色園は宗教公園、親鸞聖人の教えを表した塑像が、20万坪の広い園内に点在している。
教えの場であって、観光の場ではないから桜も観光向きにはしていない、野山のままという印象。
当然、こんな場所で花見をしている観光客もいなかった・・・と言いたいが、この日は雨が降っていたので真実の程は知らず。
若い時の豊臣秀吉と蜂須賀小六が、岡崎市の矢作橋で出会った時の絵だよね。
色使いが派手過ぎるとか、寒いだろう橋の上でどうして寝ているの?とか突っ込みたくなるが、どうでも良いことだった。
地元の物語を大切にしてくれているのだろう。
修行の場でさえも桜で飾ることを忘れない、その心を美しく感じた日進市の五色園だった。
五色園の桜は、なんだか他とは一味違い、凛とした佇まいを感じたよ。