酔客通りの写真を撮る楽しみを覚えてしまった。
ニューオリンズが、ナッシュビルが楽しすぎたんだ、そして僕はメンフィスでも夜景写真撮影に走る。
ビール通りのスペルがBeerではなくBealeだったことに驚きつつも、この有名な酔っ払い通りを歩いてみる。
短い通りではあるが、警察官がウロウロしているし、治安面の心配はない。
だからこそ酔客が多く行き交う。
手持ち撮影ではない、本格勝負だから三脚を持ってのカメラマンは僕ぐらい、かなりユニーク。
スローシャッター2秒前後で人の姿をブラしてみる、街灯を太陽みたいな形に、彩度は薄目がいい。
三脚を立ててシリアスに撮っていると、酔っ払いどもに絡まれる絡まれる。
「私の写真を撮って!」と目の前に躍り出てくる、男女問わず。面白いものだ。
バーボン通りのような建物の美しさはないが、看板の色使い・賑やかさは素敵じゃないか。
街中なのに春の花満開のFRIDAYS、思わず車を停めてカメラを向けていた。
こんなに面白い被写体もないよね、メンフィス・ビール通り。
ロックかブルースのために訪れるかと思ったメンフィス、まさか夜景写真が主目的になるとは。
これも僕の人生では忘れがたく、似たような経験をすることがきっとないだろう時間よ。
メンフィス・ダウンタウンの写真 昼間のビールストリート
本来は日中には日中の美を、夜間には夜間の美を愛でる。
ところがメンフィスは、夜のビールストリートの混沌が有名になり過ぎて、
昼間の街の魅力が遠ざかる、不条理なことだ、なんとも不条理なことだ!
ダウンタウンを運転中、こんな華やかなシーンに心奪われて、ついブレーキを踏んだ。
朝のビールストリートには人影が稀で、何の面白みもなくて、ただの道路かと誤認しちゃう。
治安を心配したが、観光客が全然歩いていないし、普通の地元民もいない。
なんというか、論外だ、普通の街の深夜3時の空虚さが、このメンフィスの朝9時。
ギターといえばギブソン、この通り日中には華開かないメンフィス・ダウンタウンだけれど。
日光が強過ぎる、灯りが闇の部分を照らし出し過ぎて、まるで面白くないメンフィス・ビール通りに。
ミシシッピ川沿いのトム・リー・パークに逃げ込むと、川と空、普通の街の美が戻った。
昼間は普段着でいたいね、メンフィス・ダウンタウンの写真。
国立公民権運動博物館・ロレインモーテルの写真 キング牧師暗殺の場
痛みから目を逸らすのも一策だが、真正面から向かうのも一手。
アメリカの公民権運動の歴史は南部を旅していると逃れられない道、だったらいっそ足を踏み入れてみる。
メンフィスにあるロレインモーテルは、キング牧師が暗殺された場所、今は国立公民権運動博物館という名に。
個人的に最も強烈だったのがフリーダムライド、言葉少なくても核心的に当時の社会の闇に踏み込んだ人たち。無謀で、勇敢。
DECENT PAY, HOUSEなんて、もう見るだけで心が痛い。
館内には色々な人種の人たちが見学している、アジア人の僕は最もStrangerな気がするが、この場にいることが大事。
フリーダムライダーは南部でKKKの暴力によって激しく傷ついている、そんなこと、あるのかよ。
キング牧師が暗殺されたロレインモーテルのテラスがそのまま残り、国立公民権運動博物館となっている。
アトランタ・バーミングハムに続き、アメリカの公民権運動を学んだ、人間の性根の醜さは世界共通ね。
ローザパークスのバスボイコットも、突き動かしただろう心底の根深さを想像すると無力感に包まれる。
またひとつ、イヤなものを見てしまった、でもそれはスルーしないほうが良い歴史だったのだろう。
話題を転換、この国立公民権運動博物館・ロレインモーテルすぐのCentral BBQで食べたBBQが美味しかった!
エルビスプレスリー生家の写真 ミシシッピ州テュペロ
あのエルビスプレスリーが生まれた家が、ミシシッピ州テュペロにあった。
↑の写真の小さな家、たった2間の庶民そのものの家。
13歳のエルビスプレスリー像、この場所でどう育ったらあの音楽センスを得られたのか。
母親に連れられて通ったという教会が移設されている。
教会につきもののゴスペルがエルビスの音楽を育てたのだろうが、ミシシッピのこの小さな場所から世界とは飛躍が過ぎる。
とても静かな場所にあるエルビスプレスリー生家、今は昔の物語。