2022年2月18日
冬の海もまた、特別な撮影シーンになる。
初めて野間埼灯台を撮ったのは1年半前の夏、カメラもNIKON D850からSONYα7IVに変わって、
また撮りたくなる気持ちに火がついたから、知多半島の南、美浜町の野間を再訪。
5時半過ぎの日の入り前から、野間埼灯台あたりで光を読み、最適な場所を探してうろうろ。
結局は前回と同じく上の写真の角度が一番美しく撮れる。
鈴鹿山脈の冠雪と、柔らかな冬のサンセット色が良い具合、白い野間埼灯台が浮き上がってきた。
途轍もない強風に冷やされ、普通の人たちは足早に去っていった、残るは私を含め数人のカメラマン。
波打ち際をフワフワに撮る、C-PLフィルターで暗さをかせぎ、わずかながらもスローシャッターに。
2-3秒でもスローシャッターを入れると非現実世界へと変わる、それが好きで。
灯台Lighthouseという主役がいるから、風景写真にも締まりが出る。
今の私の最高の撮影機具で、最高の技術を駆使して撮った野間埼灯台と伊勢湾。
少し離れた南知多町の「つぶて浦」、鳥居が伊勢湾を向いている、灯台も鳥居も夕焼けに合う。
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「野間埼灯台の冬海サンセット」動画を、YouTubeにあげました!
2020年6月28日
恋愛成就のジンクス?
いいや、僕の狙いは野間埼灯台を美しく撮影することだ。
爽やかな空気感になる夕方、いくら浜辺で恋人たち・お友達たちが楽しそうに時を過ごしていても、
夕陽カメラマンたる僕はごつい三脚とでかいカメラを抱えて撮影スポットを血眼で探しているだけ。
愛知県最古の灯台と聞くね、野間埼灯台(のまざきとうだい)は。
灯台の高さは18メートル、1921年から続く野間埼灯台は、15キロメール先まで光を届けているという。
そんな立派な野間埼灯台だが、僕に取っては夕日と海の写真のアクセント、副題でしかない。
どこに三脚を立てようか、僕の肉眼は今日のレンズ・28mm単焦点と同じ画角へと化して、
野間埼灯台をどこに置こうか、どこをスローシャッターで流そうかと品定めをしている。
伊勢湾・セントレア方面に下っていく夕焼けが眩しく、光が強い。
僕がフルサイズ一眼レフカメラを構え始めるのは、その太陽が水平線際の雲に隠れて、光線が弱くなる頃。
サンセットの光がフラットになった方が、僕の写真撮影技法にとっては都合が良い。
まだ明るいうちからスローシャッターを狙う。
C-PLフィルターで光の反射を防ぎ、NDフィルターでシャッタースピードを遅めてスローシャッターを可能にする。
この2つの特殊フィルターの術によって、サンセット直後のスローシャッター30秒が可能になるのさ。
当然ですが、砂浜を長秒露光で撮影しても、ぴくりとも動かないから効果がない。
多少流れが早くても、上空の雲は30秒ぐらいではそう動かないから、雲で魅せることは難しい。
つまり、スローシャッターでのメイン被写体は、波打ち際の潮の満ち引きということさ、野間埼灯台ごめんね。
強目の波が来て引いたら、小石の位置が変わる。
それに気がついたのも、スローシャッターした自分の写真を見た時だった。
フワフワに撮れる海面が好き、野間埼灯台が反射している水面も好き。
波打ち際で遊んでいる人たちの影が写真に映らないのは、30秒のスローシャッターで撮影しているから。
写真にインパクトを残すのなら、ホワイトバランスを「晴天日陰」に、ピクチャーコントロールを「風景」に設定すれば叶う。
ところが僕はNIKON D850ならではの「フラット」のピクチャーコントロールを愛していて、スローシャッターでもそれ以外でも常用している。
ここに映った野間埼灯台は、淡くて、彩度弱くて、しょくぱんマン様のように色白で、なんだか頼りない?
それは僕のカメラ設定によるもので、本物はもっと剛力かもしれない。
C-PLフィルター&NDフィルターでスローシャッターした時に四隅に残るケラレは、トリミングの際にカットして誤魔化す。
塗り絵のように、写真ごとの色合いが変わっていく野間埼灯台は、画像編集テクニックによるマジックさ。
海と灯台の美しさに目覚めたのは、伊良湖岬灯台を写真に撮った時だった。
あちらは非の付けようが無い灯台だが、今日この日に知った野間埼灯台も同等。
この野間埼灯台なら、砂浜とサンセットと灯台を上手にまとめられる。
愛知県の灯台名所に躍り出てくれた野間埼灯台、あなたも撮影するならスローシャッター30秒程度でお試しを。
きっと僕はまた写真を撮りにくるだろう、この野間埼灯台を再訪するのだろう。