詩仙堂という名前からして、何か詩的な仙人のお住まいをイメージした。
これが本当に、文人の隠居後の趣味宅だという。
石川丈山というお方は、徳川家・浅野家に仕えた武士であり、一方で文人として学問や漢詩・茶道・庭園設計にも通じていた。
59才で詩仙堂を造り、90才で亡くなるまで石川丈山はここで過ごしている。
小有洞という門をくぐり、竹林を歩くだけでも浮世離れした空気を感じるのは、趣味三昧で余生を送った石川丈山の残り香だろうか。
新緑・青もみじを求める京都洛北の旅、詩仙堂丈山寺でどんな写真が撮れるかな。
新型コロナウイルスの影響で、インバウンド観光客が少ない今だからこその、人が入らない写真を狙ってしまうカメラマン根性。
今は寺院でも、元々は個人宅だから建物自体は小ぶり。
正確には、凹凸窠 (おうとつか)と名付けられた詩仙堂、でこぼこの土地に建てられた家という意味。
まぁ自由なネーミングだ、石川丈山さんはお年を召してますます自由人として振る舞った方なのだろうか。
秋の紅葉名所、それから5月のサツキの時が特に美しいとされる詩仙堂の庭。
青もみじはやや控えめかな、どうやら青もみじ専用設計ではない(当たり前か)。
畳に敷かれた青い敷物(ソーシャルディスタンスを促すものかな)が良いアクセントになっていた。
他の観光客が数名しかいない、この場所に座って、庭を見ながらボーッとする贅沢な時間。
ししおどしの音、それからカエルの泣き声だけが聞こえていた。
「鹿威し」と漢字で書くししおどしの代表格が、ここ詩仙堂のもの。
添水(そうず)とも呼ばれるししおどし、農具から風流を楽しむ装飾へと転換した。
庭園設計の名人たる石川丈山、庭が奥までずっと続いているので散策する。
個人宅には過ぎたる風景があった、趣味人の家とはかくあるべき。
詩仙堂丈山寺はゆっくり呼吸しながら歩きたくなる場所。
僕はまた季節を変えて、カメラ設定を変えて、ここ詩仙堂に来てしまうのだろうな。
いつかずっと先の楽しみが増えた、嬉しい詩仙堂丈山寺への初訪問となった。
2010年撮影、曼殊院の写真
曼殊院を歩いて感じたこと、ここ曼殊院は趣味人の住まいだ
曼殊院内は写真禁止だから、カメラには写らないのがもったいなく
黄不動の掛け軸があったり、狩野探幽の襖絵があったり、枯山水の庭園があったり
ここ洛北までくると、もう人里離れた別荘の雰囲気
曼殊院の美しい写真を撮ろうと思ったら、外の塀と苔の緑色がベストだった
紅葉の季節も美しいのだろうな
日本の美は、趣味人の別荘にある