あのアーチを、どうにかして、ミシシッピ川越しに撮りたかった。
夕日が落ちるのがダウンタウンのビル群の向こう側になるセントルイス。
ゲートウェイアーチ&川越し&夕日&ダウンタウンのビル、と条件は見事に重なるね。
ゴールドラッシュの前、未知の土地である西海岸へ足を踏み入れていった東海岸の人たち。
東西の境となったセントルイス、あのゲートウェイアーチが行ってらっしゃい&おかえりなさいのシンボルだったのだろう。
撮ってみたいシーンをイメージ以上に実現できた時の満ち足りた感。
どんな冒険をしたとしても、味わうことができない。
一生記憶に残る時間は数多くあるけど、セントルイスでそれを1つ足すことができた。
セントルイス・ミズーリ州ダウンタウンの観光名所写真
アメリカの街は基本の造りがどこも似ていて、個性はないと言われる。
ミズーリ州セントルイスにもそれは当てはまって、ダウンタウンを歩いても特段の変わりはない。
そんな中でもフォレストパークという万博跡地にはアメリカらしい力があるのを見つけた。
圧倒的な広さ、大きいことを美学として、とにかく大きい。
セントルイス美術館には無料で入ることができた。
メトロポリタン美術館を思わせる飾り方で、世界各地の美術品が収められている。
日本エリアでは鎌倉時代の仏像まであるし、中国のものも多い。
本音、「大泥棒が・・・その土地に返してあげて」と思ったけどね。
ゲートウェイアーチのシャープなデザインは良いよね、セントルイスのシンボルに相応しい。
セントルイスの清濁飲み込み具合が極端だ、イーストセントルイスをフリーウェイの上から見るだけで、その荒廃具合に肝を冷やす。
北と東が貧困地区で危なくて、南と西は安全圏。
特にセントルイスダウンタウン、あのゲートウェイアーチのあるリバーフロントからミシシッピ川を越えると
イリノイ州イーストセントルイス市になって、そこが極端に荒れている。
現実に目を背けられない、それを知らないでセントルイスを歩くわけにもいかない。
ブルースはそんなセントルイスを体現しているのか、ある意味セントルイスの個性だと割り切った先に見えてきたものがあった。
セントルイス大聖堂はミサ中で堂内には入れなかったけど、外から見るだけで別格なことが分かる。
水面越しに主役を撮りたい。
アメリカの都市には水辺がつきもので、ニューヨークのマンハッタン、
シンシナティのジョン・A・ローブリング橋、ルイビルのダウンタウンもそうだ、どれも印象深い。
そんな中で、セントルイスのゲートウェイアーチはミシシッピ川に面していながら、
川の対面が治安の激悪なイーストセントルイスだから前回1年前には足が踏み入れられなかった。
でも調べてみればカジノがあるし、そこだけなら大丈夫なのではないか?と推測がついたので、
おそるおそる、後ろを頻繁に振り返りつつ、行ってみた。
整備はされていない川だが、雰囲気は大丈夫だ。
悪人たちが襲ってきたらすぐに逃げられる体制は取りつつ、三脚を構えてみた。
やばいイーストセントルイスはもっと南だ、カジノ駐車場には頻繁にセキュリティの車が見回っているし、よほど安心なゾーン。
ネットで見ると、この対岸から撮った夜景写真が結構多くあって、
グーグルマップを見れば公園と展望台まであるから、まぁどうやら普通の安心ゾーンなのだろう。
ゲートウェイアーチの足元からは超広角レンズを使わないとゲートウェイアーチは撮れない。
セントルイスのゲートウェイアーチを撮るなら、対岸のカジノサイドから。