英文会社推薦状のサンプル/ひな形、ビザ申請の英語必要書類

英文会社推薦状とは、あなたの身分保証をするという会社からの証明書。

英文会社推薦状
どんな時に必要?ビザ(査証)申請の必要書類
どんな内容?

あなたが海外出張で渡航するから、

ビザ発給をお願いします、という

会社→大使館宛てのお願い

ねぇ、ケン。いくらあなたが素晴らしい人でも、他国からすれば正体の定まらない外国人。

「その通りだね、旅子。僕が持つ信頼性を、ビザ申請時にどう証明すればいいのだろう?」

それが英文会社推薦状(レコメン)なのよ、

Company Recommendation LetterともCompany Guarantee Letterとも英語では言うわ。

「あなたが書いてくれた英文会社推薦状のサンプルを拝見したよ。部分部分を書き換えれば完成じゃないか。

どんな文章にすればいいか、皆目見当がつかなくてウェブ上で探していたんだ。ありがとう」

私のサンプルは一般的に通用するもの。赤字部分を直せば大丈夫よ。

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(会社レターヘッド使用。会社ロゴと社名・住所・代表電話番号入り)

Friday, September 7, 20XX

Embassy of (国名), Japan

Dear Sir/Madam:

On behalf of Ken Box(フルネーム), we are submitting required documents for business entry visa.

He has been a Manager of Sales Division(役職名と部署名) with our company, Ken Box, Inc(会社名) since April 2000(入社日) for 18 years(勤続年数).

He is planning a business visit to your country with following activities.

November 6-8 : Internal meeting of our group company, which will be held at xxx (期間、目的、都市名)

Contact person : Mr.xxx xxx, General Manager, Product Planning Division (受入担当者名、役職、部署)
                 Ken Box Global Co., Ltd. (受入会社名、住所、電話番号、メールアドレス)
                 1000 xxx Street, xxx city, Zip, Country
                 TEL : +000-000-000-0000
                 Email : info@globalkenbox.com

He will depart Japan on 06 November 20XX and will arrive at in xxx(都市名) on the same day.(出発日、都市名、到着日)

We surely guarantees that he will adequate funds in his possession, as weel as confirmed living accommodations and return transportation.
We also guarantees that he will not become dependent upon of your country in any way durling the course of his visit.

We will greatly appreciate any assistant you can provide us in expediting this visa process.

Thank you for your kind cooperation in this matter.

Yours sincerely,

(直筆サイン)
_______________
xxx XXXX
General Manager
xxx Division (サイナーのフルネーム、タイトル、部署名)

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「旅子、よーく読んでみると凄い内容だよね。

僕がこの会社の従業員で、社命で海外出張するためにビザ取得の協力をお願いしたい、という内容までは普通の文章。

その後にある、海外での行動や費用の保証を全て会社が負う、この一文は一歩も二歩も踏み込んだ宣言だ」

そうよ、ケン。でもビザ申請を受け付ける各国大使館・領事館としてはこの一文こそ、書いて欲しいはず。

責任は個人じゃなくて組織に負わせないと国としては困るのでしょう。

「こんな重要文書にサインするサイナーは荷が重いよね、

別にそのサイナー個人が責任を負うのじゃなくて会社組織全体からの保証の約束になるとしても」

ケン、あなたが海外出張するって誇らしいけど、

その才覚を愛するわたしからすると数日間の孤閨。間の無聊をどうすればいいのか、教えて欲しい。

「じゃぁ、文章を完成させたら、それを会社の便せんに印刷すればいいってことね?」

⇒ お作法
レターヘッド(Letter Head)

会社ロゴや代表住所・電話番号入りの

便せん(レターヘッド)に印刷する

レターヘッドがないなら・・・

会社ロゴの切り貼りや住所・電話番号を手打ちして

それっぽく作り、会社の正式な印鑑(社印か角印)を

押しておけばいい

「サイナーは誰がふさわしいの?最も信頼の置ける人なら旅子になるけど、そういうことじゃないか(笑)」

⇒ サイナー

Manager以上の役職者

ビザ申請上は、より上位職で

あればあるほど良い

人事総務担当でも直属上司でも大丈夫

それよりも、ケンの言葉にちょっとどっきりした。

「英文会社推薦状か。やろうと思えば、簡単に偽造できるな。

最も、偽造みたいな虚偽申請をしていたらビザが発行されていた後でも、大使館・領事館はビザの取り消しをする権利があるし、

その個人へ出入国の制限を課すこともできるだろうから、書類偽造は高いリスクのある行為だ」

⇒ 国によっては追加ルールを設け、偽造を牽制

サイン証明

商工会議所に登録したサイン証明を取り付けろ

社印押印印鑑文化の強い極東アジアの国
原紙PDFやFAXでは受付不可

「僕たちは会社組織に守られているんだな。個人には限界があるってことか。

僕個人で旅子の素敵さ、とりわけ肉ひだの高性能を推薦する証明書にサインしてもいいけど、そんなのビザ申請には通用しないか」

ありがとう、ケン。でも卑猥が過ぎるよ。
推薦し、推薦され合うわたしたちの関係ってこの先どうなっていくの?

完成した英文会社推薦状にはなんだか美しささえ漂い、

インビテーションレターと並ぶビザ申請書類のエース格として、ビザ窓口に提出されていく。

どうかそれを見てケンのビザ申請を善処してください、

書面の奥の方、ずっと底の方に、彼の普段の信頼性というものが潜んでいるから。

 

英文会社推薦状

<別話> ビザ申請の必要書類 出生証明・婚姻証明 = 日本では戸籍謄本

南砂町駅を過ぎてすぐに東西線は地上に出て、わたしはいつものように

窓から江東区と江戸川区の間の荒川と、その上を走る首都高を探した。

探すといっても、探すまでもなくそれは目の前にあるのだけど、

東西線と平行してかかる清砂大橋のせいですっかり視野は狭められてしまい、

わたしは毎度この景色を見る度に無神経なその橋の設計を恨んでいる。

地下からようやく地上に出て、葛西臨海公園の観覧車の色を楽しみにしているのに、

端の半分も行かない間に窓は橋の背中で埋まってしまって、また何もない景色だけ。

いつもこんな文句ばっかりなんだけど、今日はわたし、

またひとつ知った新しい知識のことで頭が一杯だった。

ビザの世界って不思議がたくさん。

ほら、出生証明と結婚証明って何のことか分かる?

普通の日本人はそんな名前の役所の書類なんかあったのかって思うでしょ。

わたしもそんなの全然聞いたことなかった。

今日、フランスの就労ビザをやったんだけど、家族ビザの申請書類のリストに

Birth CertificateとMarriage Certificateっていう聞きなれない言葉があった。

直訳すれば出生証明と結婚証明でしょ。

「ケン、これは何のこと?区役所に行けばもらえるの?」

分からないから聞いてみたら、ケンは身体後とこっちに向き直って、

でも偉そうにゆったり足を組み替えて世間話みたいにしゃべり始めた。

「そうだよね~。普通知らないよね~。知ってるわけないな。

いや、知ってたらおかしい!」

それでなんか一人で笑い出した。

「知らないよー。教えてよー。教えてくださいよー」」

わたしも三段式に返してみたらケンはどうやらご機嫌になったみたい。

「じゃぁ、toko。tokoとお父さんと親子関係を証明するものを見せてよ」

そう言われて困った。

いや、本当にお父さんだとは思うけど、なんか書類で、って困るよ。住民票かな?

いや、住所はもう実家からこっちに移してるし、保険証だってわたしの名前だし、

運転免許じゃないし。

「ん~と、パスポートでどう?ファミリネームが同じだからそれで証明できるでしょ」

「弱いなぁ、それ。

万が一、親が離婚して母親に引き取られたら姓は母親の旧姓に変わっちゃうよ。

それに、例えば中国では結婚している夫婦はそれでも別姓のままだし、

ファミリーネームが同じだからって家族とは世界的に認められないなぁ。

なんかないの、他に?」

「えー困るなぁ。そんなワガママ言われても。

なるほどね、考えてみれば日本のIDに家族を証明するものってないね。

運転免許の現住所が同じだったらいい?」

「ダメ。同棲している男女は夫婦かい?」

「あーヤダね、そんなお役所みたいなこと言ってさぁ。

戸籍上っていうぐらいだから、役所で戸籍もらってこればいい?」

「あぁ~いいね~。戸籍にも二つあるから個人の情報のみの戸籍抄本じゃなくて

家族全員の名前が載る戸籍謄本がいいね~」

「戸籍謄本?自分の戸籍なんて見たことないかも」

「パスポートを初めて取るときに見たはずなんだけど、憶えてないよね?」

「全然!すっかり忘れてる」

ケンはヨーロッパ各国のビザ申請書類のコピーをファイリングした

分厚いファイルを持ってきて開いた。

「これが戸籍謄本。どう?出生と結婚の証明になるかい?」

改めてじっくり見ると戸籍謄本の中には両親の名前や出生地の都道府県、

生年月日やいつ結婚したかまで入っていた。

戸籍の筆頭者は一般的にはお父さんだから、奥さんお名前や奥さんの両親の名前、

二人の婚姻日、子供の名前や両親の名前、生年月日、そんな情報が書かれている。

「toko、憶えておいて。日本で家族関係、婚姻関係、

それから自分の出生を証明する書類というのはこの戸籍謄本以外にはないんだよ」

足を組み替えながらケンが言う。

「市役所に言っても他の似たような書類ってないの?」

「ないね。住民票などで父とか夫とか本人との関係が書かれたものはあるけど、

正式なのは戸籍謄本だけだよ。

普通、世界一般的にはMarriage CertificationとBirth Certificationは存在するんだ。

日本のように姓が一致すれば家族という認識は海外では有り得ない。

民族の違い、文化の違いがあるからね。整理できないんだ」

「じゃぁ、これをどこかで翻訳すればいいの?」

「そうだね。自分で翻訳して公証役場に持ち込んで公証して、

それをビザ申請する大使館に持ち込んで認証してもらえば

その翻訳版は正式なMarriage CertificationとBirth Certificationになるね」

「うん、なるほどね。そんなの普通誰も知らないよ。ちゃんと宣伝しておいてよ、ケン」

「普通は使わないって!これこそビザの世界って感じだ。

親と、夫や妻と、子供とIDをつなげるものが戸籍謄本しかなくて、

しかもそれは僕たちはいつも持ってないし、

わざわざ本籍のあるところの役場に行かないと手に入らないんだよ。

そう思うと結構危ういものじゃないかな、日本の家族関係って」

――今日、ケンが教えてくれたのはそういうことだった。

家族関係を証明する書類、か。

就労ビザや留学ビザの申請で扶養家族の帯同ビザがある時はまず必要だとケンは言った。

そうだよね、同姓なんていくらでもいるのだし、パスポートの名前だけじゃおかしいもん。

清砂大橋を過ぎて西葛西駅に着く前、わずかにのぞく葛西臨海公園の大観覧車は

今日もカメレオンみたいに七色をまとっている。

お休みの日、あの観覧車に向かい合って乗る親子がいて、横並びに乗る恋人たちがいる。

人と人との関係、数字や文字にはできない間柄を証明するものがたったひとつ、

いや、たったひとつでもあれば間に合うのかもしれない。

何よ、このビザの世界。他人が他人を判断するってこんな表面のものしかないから、

紙も馬鹿にしたもんじゃない。

戸籍謄本一枚か。

その一枚がビザを許す、数年間共に暮らすためのビザを発行させる。

現実との狭間の広いこと!

やっぱり納得できない役所の世界にわたしは思わず瞬きした。

-雑記雑文