2015年撮影、大成功!
火おんどり、それは火祭りの極み。
お盆の夜、設楽原の決戦場跡・信玄原での伝統行事、松明を男たちが8の字に振り回す。
明るいレンズと高感度ISOでシャッタースピードを上げ、ストロボを焚かずに写真を撮る僕の流儀。
肉眼そのままの雰囲気が欲しい。
800枚は撮りまくった末の傑作をここに載せよう。
偶然の産物だが、火おんどりを選び、カメラ設定を考えた僕の戦略勝ち。必然の偶然。
織田・徳川軍と武田軍が激突した後年、地元で大量発生した蜂は武田軍の亡霊と恐れられた。
地元の方々がそれを供養するために始めたのが火おんどり、まもなく蜂は消え去ったとか。
今では地元の結束の証し、伝統行事で青年を鍛えようとする場なのだろう。
長篠・設楽原の歴史を考えると、現代も続く戦国イベントか、400年間続く火おんどり。
勇ましい火おんどりだが、戦という哀しみと表裏一体の伝統行事、美しいと喜ぶだけではない。
2013年撮影、まぁまぁ撮れた
2013年8月15日
派手なお祭りだ、巨大な松明を8の字に振り回す男たちが多数、太鼓と鉦の音。
今は成人儀式のひとつ、地元の若者たちの結束目的だとしても、その起源は長篠・設楽原決戦での死者たちの供養だという。
お盆の夜、信玄塚(長篠の戦いでの戦死者たちを埋葬した塚)で行われる火おんどりは、愛知県の指定無形民俗文化財。
火おんどりの始まり、喪服姿を先頭に行列が会場に入ってくる。
その様は楽しいお祭りではなく供養目的と改めて感じた。
祭りが始まってしまえば、体力の限り、男たちがあちこちで松明を振り回す。
若者だけではなく、壮年~老年にかけての方もいらっしゃる、地元の伝統を守る意識の強さか。
二人が向き合って松明を振り合う、そこに太鼓が割ってきて、二人を煽っている。勇ましい姿。
偶然、他所からフラッシュライトに照らし出されて。
戦死者たちを葬った信玄塚から大量の蜂が出て地元民を困らせた、この業火で蜂たち(=武田軍の亡霊)を慰めたのが火おんどりの切っ掛け。
担ぎ手だけが注目されて、音楽隊はスポット浴びることがなさそうなので、気まぐれに太鼓+鉦のお二人を撮ってみた。
スピードライト(フラッシュ)がなくて光が届かないが、男衆と炎の表情、両方が良い画像を撮りたい。
3人が入り混じっての根性比べ、なんとも絵になる様。
火を使うお祭りで、ここまでスケールの大きいものは他に知らない、松明の大きさ、担ぎ手の多さ、参加者の多さ。
勇ましさと本来の供養目的、両立しているのが見事な信玄塚の火おんどりの画像でした。
乗本万燈(近くの別の火祭り)
2013年8月15日
乗本万燈の写真
8月15日は嬉しい意味で忙しい。
19:30開始の乗本万燈を写真に収めた後、21:00開始の火おんどりに間に合わせるため急いで移動。
これが成り立つスケジュールなのが新城の奇跡。
地元の方々が大日堂に会し、秋葉神社の火で万灯に点火する。
万灯山に登って、集落を見下ろしながら万灯を回し続ける。
眼下は暗闇のみ、場所が広いので横に3人並んで振り回す。
大人だけでもなく、子供だけでもなく、励まし合いながら松明を振る。
鉢巻き・さらし・草鞋・白袴の衣装が揃い、太鼓・鉦・笛の囃子もあって雰囲気極まる。
遊びでもなく、暗い宗教行事でもなく、勇ましい伝統行事。
集落からこの火振りを見上げてもキレイだろうし、近くで見守っていてもキレイ。
伝統を感じる乗本万燈、写真に収めることができて満足だ。