岡崎城をランニングコースにしてしまえ。
歴史ファンのランナーの空想は止まることがなく、城下町・岡崎を自分の足で走って街の息吹を感じようとする。
神君・家康公の若かりしき日を偲ぶよ。
武芸の達人でもあった家康公だ、まだ竹千代・元信・元康と名乗っていた頃には今日この道を同じように走っていたのかも。
岡崎公園をグルグルを走って物見遊山、横を流れる伊賀川沿いのジョギングコースを伊賀八幡宮まで走るのが最良。
遊歩道を地元のランナーが走っている伊賀川、ちょっと距離が短いが多くの鳥さんがいて雰囲気は良い。
岡崎でトレイルランニングなら道根往還だろうが、ランニングなら岡崎城。
話を岡崎城に戻すと、蜻蛉切の本多忠勝がいる、鹿の角を立てた兜でそれと分かる武功の人。
桑名城ランニングでお逢いしました。
岡崎城には他の徳川四天王の像はないのに、本多忠勝だけは特別なのか。
30分おきに動き出すからくり時計塔、家康公まさかの能舞台披露、しかもシュールに笑いを呼び起こす。
桜の名所・岡崎城をフォトウォークするのも良いが、城の使い番にでもなった気分で走るのも愉快。
三方ヶ原の敗戦を忘れない~しかみ像に痛みを残した家康公、老齢になっても見返したのかなぁ。
岡崎公園にはこれというランニングコースは設置されていないが、道は平坦だからどこでも走りやすい。
スーパースターの銅像ありき。
ここから江戸幕府400年が創成されたなど、偉業も偉業だ。
岡崎市の街中は廃れつつあるが、東海道が通っていたからか城下町の風情がある。走っていて感じたこと。
家康行列が僕は大好きだ、きっと今年も写真を撮りに来てしまうと思う。
家康公が江戸に移った直後の藩主・田中吉政の像もあった。この街は歴史を大切にしているようだ。
岡崎城を駆け抜け、次の岡崎ランニングコースへと向かう。
大樹寺まで走ろうではないか、直線距離で3kmの区間と聞く、岡崎城→大樹寺は。
伊賀川沿いを走っていると、朱色の橋が見えてくる、そこが伊賀八幡宮だ。
「伊賀」という名前の八幡宮、この一帯は「伊賀町」。服部半蔵ら忍びたちの気配がする。
江戸城の半蔵門のように、岡崎城を守っていた伊賀者たちの棲み処にしか思えない、それも素敵な空想。
通り過ぎようとした明願寺、どうも美しい気配がして立ち寄ると、手入れの行き届き具合に脱帽。
音楽をかけてノリノリでRUNする僕に、誰からかキツイお叱りが。静かに走れ、と。
大樹寺は小高い丘の上にあった、ここの本堂・総門からは常に岡崎城を目にすることができる。
「ビスタライン」と呼ばれるこの仕掛けを370年間守っていた岡崎市。
松平家の菩提寺である大樹寺と岡崎城をつなぐ線、そこを走るのが岡崎ランニングコースの味わい方だ。
僕は家康公の伝令を受けて岡崎城から大樹寺まで走ってきたが、返事を伝えるため、また岡崎城へと走って返す伝令役。
伊賀川に沿って続くランニングコースをたどれば、敵兵が押し寄せてくる前に岡崎城に着けるよ、登城を急ぐのだ!
道根往還や東海道のように岡崎城へとつながる道路網か、やはりこの一帯の中心地は岡崎城。
岡崎城から八丁(870m)の距離にある八丁味噌蔵まで。NHKドラマ「純情きらり」のロケ地は岡崎市だ。
カクキューさんの味噌蔵の中を周る無料ツアーにも参加したいけど、今日の岡崎ランニングコースのゴールはここではない。
矢作橋には伝説がある。まだ少年だった豊臣秀吉と、野武士の頭だった蜂須賀小六がここで出逢ったという。
その像まで着いて、僕の岡崎ランニングコース14km(あちこち道草したから)はおしまい。
愛知県・三河らしい歴史ロマンに溢れたランだった。