道根往還トレイルランニングコース、岡崎市東公園の古道を走る

ずっと再訪したかった場所、道根往還トレイルランニングコース

アメリカ赴任を挟んで5年間もこの古道を走ることが叶わなかった。

道根往還の写真画像

岡崎市東公園の東駐車場から走り出す、梅雨の合間の晴天を見つけて。

往復22kmの道根往還、岡崎市でトレイルランするならここだろうよ。

橋の名前まで道根往還になっている。

1,000年前ぐらいからの古道・道根往還とは比較にならないほど、若い橋だろうが。

道根往還橋からの岡崎市内眺望。

小呂池(おろいけ)、立ち枯れ木があってまるで上高地の大正池のよう。

岡崎の大正池、あるいは三河の大正池と呼ばれるとか。

スイレンがキレイに咲く小呂池、大事にしたい場所。

道根往還の写真画像

小呂池までは舗装道、この先の道根往還からは土の道になる。

道根往還の写真画像

走ってすぐに気が付いたのは、道根往還の道面のワイルドさ。

古道だから仕方ないのだが、現代の山道と比較すると道根往還の凸凹が目立つ。

雨が溜まった場所はドロドロだ、自然のままの姿だ。

ラフなトレイルランニングコースが道根往還。

マウンテンバイク(自転車)やオートバイの人たちが乗り入れてくるのも分かる気がする。

もちろんウォーキングしている人はいるが、石がゴロゴロしているから歩きやすくはない。

良いところはなんと言っても道がフラットなこと。

これは先人たちの長い長い苦労があって、丘や高低差を人力で切り開いて水平にした「切通し(きりどおし)」のお陰。

こんな山道、普通なら登山道のごとく降りては登る、を繰り返して体力を使わないといけないはずなのに、

切通し(上の写真のようなもの)の恩恵で楽ができる。

高低差のなさが、私のようなトレイルランナーには好評。

とりわけ、小呂池と岡崎市中央クリーンセンターの間までの道根往還前半コースは走りごたえがある。

後半はマイナーコースになってくるから、この前半の往復だけでも良いと思う。

道根往還の写真画像

石畳が一番美しい場所、鎌倉時代からの古道の面影を感じる。

道根往還の写真画像

それにしてもハイキングやランニングをしている人よりも、自転車やバイクをしている人の方と多くすれ違った。

そうだよな、ここを歩いたとしてもその先からバスで戻るのも大変、単純往復するしかない道根往還は歩くには向いていない。

道標の前でセルフタイマー写真、5年前と同じ場所・ほぼ同じ服装で。

トレイルランニングシューズと音楽プレイヤーが変わり、ちょっと体重は増えた。

岡崎市中央クリーンセンターの横を降りると車道へ。

この看板をよーく覚えて進めば、やすらぎ公園を通って斎場の横から後半の道根往還を見つけることができる。

ここの石屋さんが面白くて、ついつい写真を撮ってしまう。

やすらぎ公園はアメリカの墓地並みに明るい霊園。

後半の道根往還はずっと地味になる、見所は少なくすれ違う人もずっと少なく。

道根往還の写真画像

切通しの大規模なものがあった。

本来はこの丘を登って下るという面倒があろうに、水平移動できることの幸せ。

山城に見られる「堀切」のような地形になっている。

岩戸三弘法という石仏を拝んで、真っ直ぐの下道を駆け下りる。

謎の巨石置き場、そして再び車道へ出る。

車道の峠にあった石仏、こういうのが大好きでいつもカメラを向けちゃう。

あとは民家の裏山を走っている感じで、一気に駆け下りる道が続く。

正立寺(しょうりゅうじ)はシンプルで美しいお寺、ここが僕の中では道根往還の実質的なゴール。

道根往還の画像

境内に座って、この美しき鐘に再会できたことの喜び。

片道11km、2時間もかけてトレイルランしてきた甲斐がある。

正立寺から北へ進んで八幡社へ向かう、左手の石仏も見所。

八幡社への石段がきつい、この道根往還コースで一番高低差がある場所!

上に上がって、この社に腰掛けて補給をする。

写真にするとまぁまぁ見所があるようで、道根往還は全般的に地味だ。

久しぶりに走ってみて、地元民でもなければそう何度も走るべきでもないと感じた。

何よりマウンテンバイクやオートバイとの共存が難しいからね。

まぁ、歩行者からすればトレイルランナーも危ないのだろうが。

正立寺の大きい方の鐘、立派なものがある。

不便さも含めて、道根往還が1,000年の古道であるIDなのかな。

そこそこ便利な最近の登山道と比較すると、道根往還の歩きにくさは目立つ。

自分が往時の旅人になったかのような気分になれる道根往還は、まぁ珍しい存在。

ここ正立寺から先は、岡崎城の旧門とか見るところはあるけど、自動販売機も何もない。

そのまま引き返して往復22km・4時間少々の道根往還をトレイルランできた僕の思い出写真でした。

2015年6月28日

道根往還のことを調べていたら、この古道をトレイルランニングしたくなった。

新城の作手から岡崎城へ向かう途中にあるんだ、道根往還は。

だったら、あの鳥居強右衛門さんが長篠城⇔岡崎城を駆けた時に走った道だと確信できる。

鳥居強右衛門さんとは戦国時代の長篠城にいた足軽で、岡崎城まで急使として賭けた伝説のトレイルランナー。

道根往還1.jpg

岡崎市にも山走りできる場所は数あれど、

トレイルランニングの名コース・道根往還を見つけたから、紹介しておこう。

道根往還とは?

歴史全長道の特徴名前の由来
800年以上前
鎌倉時代(1192-1333年)
10.5km
(欠の三本木〜鍛冶屋の五本松・馬頭観音)
割合平坦
(当時の高速道路)
道根=山の尾根
往還=道

道根往還2.jpg

鎌倉時代には確かに存在している古道が道根往還。

さらっと書いたけど、800年前の道を現代人の我々が走れるという奇跡。

道根往還3.jpg

岡崎市東公園の東公園西交差点にある「欠の三本木(↑の写真)」が終点。

ここから東へ片道10km弱ほど続く。

道根往還4.jpg

東公園から東名高速道路を超えて坂道を登っていく、

「道根往還橋」という素敵な名前の橋があり、途中の展望台に視界はない。

小呂池(岡崎大正池)は初めて訪れたが驚いた。

枯れ木と緑が美しく、睡蓮の花が色鮮やかに。

信州上高地の大正池にどこか似た風情がある。

小呂池_写真3.jpg

個性っていうものがある。

岡崎市内から至近距離なのに、確かな自然風景、それが小呂池。

「上高地の大正池」の岡崎版だとか、瀬戸大正池の兄弟池とか、

そういうジャンル分けされることが多い岡崎小呂池。

小呂池_写真1.jpg

数多くの睡蓮がこんな近場で見れるなんて。

小呂池_写真6.jpg

岡崎のトレイルランニングコース「道根往還」を走っていて立ち寄った小呂池の写真。

小呂池_写真2.jpg

立ち枯れの木が池に残る姿、その足元には睡蓮が。

小呂池_写真4.jpg

この小呂池の写真は時間帯によって異なる表情を見せるぞ、

睡蓮が花開くかどうかだけではなく、霧とか水面の反射とか。

小呂池_写真7.jpg

街からすぐ近くなのに、こんなのんびりと釣りを楽しめる場所がある。

小呂池_写真8.jpg

道根往還にあった茶屋跡の近く、小呂池は人口池だが、昔の旅人たちが立ち寄っていた場所と信じたくなる。

小呂池_写真5.jpg

秋の紅葉時は美しいだろう、雪の日もしかり、四季を変えて再訪したくなる岡崎・小呂池の写真。

道根往還5.jpg

舗装道路からいよいよトレイルに入った道根往還。

極端なアップダウンのない道、頭上は深い森に覆われている。

道根往還6.jpg

ところどころ道根往還のサインが出ている。

昔から荷物輸送の人馬が通った道だから、しっかり踏み固められている。

道根往還7.jpg

小呂湿地にも寄ってみたが、さほどの成果はなし。

岡崎中央クリーンセンターの裏手が「馬の背道」という尾根になるが、

真っ平な道なので快適なトレイルランを楽しめた。

道根往還8.jpg

やすらぎ公園はキレイに整備されていた。

明るい墓地を南西から北東へ走って通り抜けると道根往還の続きがある。

迷いやすいから慎重に案内板から情報読み取ってね。

道根往還9.jpg

やすらぎ公園からが後半、ここから一気に人気がなくなる。

前半はMTBやランナー・ハイカーで人気の道だった。

後半は人里離れた山道のイメージが濃くなっていく。

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敬愛する弘法大師のお名前が岩戸三弘法堂にもあった。

その先から山が深くなってくる、岡崎市が誇る大自然だ。

引き続き走りやすい道なので一気にトレイルランニング。

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民家の裏を通っているな?と感じてきたら、正立寺が現れた、もうゴールだ。

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道根往還起点の鍛冶屋の五本松に着いたが、少し北へ走って旧岡崎城四脚門も見てきた。

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行きは各所で写真ばかり撮っていたので、2時間20分もかかっている。

体に疲れはないので帰りはペースをあげよう。

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美しい半鐘が正立寺にあって、ついつい目を奪われ、

撞木で鳴らしたくなる衝動を抑えるのが大変でした。

八幡神社をゴールに、帰りはやる気を出して走り始めると、右足付け根に痛みが!

こんなこと珍しいのだが、足を引き摺り、まともに走れない状態。

ただの早足歩きで帰りに2時間かかった。

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鳥居強右衛門さんが命懸けのトレイルランニングをした道根往還を体験できて幸せな一日だった。

全体的には凹凸が緩やかで、直射日光が少なく、走りやすい。

虫と蜘蛛の巣に注意、それからMTB(マウンテンバイク)と衝突しないように気を配るといい。

往復すると20kmにもなるから、やすらぎ公園で引き返して半分の10kmに抑える工夫だってありだ。

岡崎市のトレイルランニングコースといえば、ここ道根往還

何が楽しいかって、歴史的な古道を走っているという特別な気分を味わうことができる。


2016.6.4

標高差がないトレイルランコースがいいな。

何を楽しみたいって、木々の匂いとか、土の踏み心地とか、そうした天然のもの。

便利な車道・アスファルトをあえて避け、不安定なもの、容易ではないものを僕は選ぶ。

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道根往還があるじゃないか、岡崎市には。

鎌倉時代から存在する古道、1,000年前後も使われてきた道。

トレイルラン岡崎1.jpg

道根往還の東端、正立寺・八幡宮を走り出そうとして、走り出せない。

歴史を重ねてきた場所なのだろう、石と木から放たれる風情に感じるものがあって、見とれてしまう。

トレイルラン岡崎4.jpg

炭や米を馬に積んで商人たちが行き交っていた道根往還、1日100頭の馬が往来したとか。

それが明治時代まで続いていたのだから、日常的に使わなくなってからの時間の方がはるかに短い。

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馬を歩かせられる=急坂ではないな=歩きやすいな=走りやすいな=トレイルランニングに適しているな。

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県道335号線にぶつかるまでは登りが続く、

何故か大岩が転がる空き地を抜けたあたりからトレイルランのパラダイスに。

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いにしえの名のある道=現代の高速道路と考えてもいいだろう、

いよいよ平坦になった道に走る足が止まらない。

トレイルラン岡崎8.jpg

やすらぎ公園は明るい場所だ、亡き人を惜しむジメジメとした雰囲気はない。

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道根往還の後半に入る直前、墓石のお店で派手な飾りがあった、

親しみが湧くような作り物、キャラクターや動物の石像。

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馬の背道に入ると、制限時速100kmを振り切ってしまいそうにスピードが出る。

RUNが止まらない。

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現存する道根往還は東西わずか10km程度、

岡崎城と奥三河とつないだ交通の要所だったのだろう。

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石畳が最も残っているところ、雨と泥に馬の足がとられないような工夫、どうかいつまでも風化しないで。

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トレイルランニングを20kmもすると足腰に重いダメージがくるが、

ここ道根往還では傷は浅い、平坦なコースだから。

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そのくせ自然を感じながら思い切り走れる道根往還、

愛知県岡崎市の名トレイルランコース。

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小呂池から東公園へは急な下り坂、折り返して正立寺まで全力疾走で戻ろう。

言わばトレイルランニングコースの高速道路、そんな道根往還を僕は好んで走るよ。

鎌倉時代から明治時代まで、人の行き来に使われた幹線・道根往還

今は岡崎市のランニングコースとして、マウンテンバイクの名コースとして知られる道根往還

戦国時代には軍勢が通り、岡崎城と奥三河や額田郡を繋ぐ軍事の道でもあった

800年以上も人馬が踏み固めた道、その足元はしっかりしている

何億歩?何兆歩?そこに加える僕の数千歩は小さな軌跡ね

石畳の跡が最も色濃く残っている場所、岡崎市が誇るべき歴史遺産

頭上はずっと深い森が守ってくれているから、太陽に照り付け続けられることがない

急な凸凹がなく、割合平坦な道が続く道根往還、つまり昔の高速道路だ

現代人の僕は遊びのために走っているが、先人たちは商売に戦争に、死に物狂いで踏破した道だろう

ランニングシューズもブーツもない時代の人たちは、草鞋だけで本当に道根往還を歩けたの?

ここ100年ぐらいは本来の静けさを取り戻した道根往還

これから数百年、千年と、時を止めて、道根往還を何も変えないで

新東名高速道路が近くに開通した2016年だけど、道根往還は鎌倉時代のままで

1,000年の古街道、道根往還。

道根往還は当時の高速道路だと思えばいいのね。

閃いた私、小呂池を過ぎて道根往還に入り、しばらく走ったところ。

岡崎城下の混雑、岡崎市東公園からの登坂を長々と経て道根往還へ。

道根往還

日々の悩みが失せたかのように道が平坦になった。

走る速度を上げて馬の背道を一息に通り抜ける。

神がかかったような自分の速さに驚いていたら、横に服部半蔵が並走していた。

殿から吉田城・長篠城への急使を頼まれた時、俺はいつもこの道根往還を選んでいたな。

フラットなトレイルはランのし甲斐がある、道根往還でスピードクイーンになるといいさ。

道根往還

えっ?伊賀忍びの頭領も道根往還を走っていたの?

幻想を取り払ってくれたのは、ちらりと見えた新東名の高速道路。

新旧の高速道路が混じるなんて、やはり道根往還は地理に恵まれているのね。

数ある山道の中でも道根往還の平ら具合は味があるもの。

だから山中を走る酔狂な遊びに耽る私はここが気に入った。

速さを増して、私は道根往還を走り続ける。

正立寺までの時間を楽しもうよ、私はいにしえの高速道路に乗っているの。

道根往還

人の醜いところを山ほど谷ほど見てきただろうこの古道だが、もちろん何も語ってくれることはない。

荷積みした馬が日に100頭も往っては来た幹線道路だ、荷を狙った山賊がいたことだろう。

三河の西と東を繋ぐ線であれば豪族たちの戦の道としても使われたことだろう。

そこで待ち受けた悲劇は想像するに痛い。

人の業を長らく見続けてきた道根往還は心を閉ざしてしまっているのだ、

1,000年の足数に踏みつけられた土は固く、

頭上の森は深くて明るい日差しが差し込んでいることが限られている。

道根往還

もちろん、いくらかの楽しい思い出はあったと思いたい。

旧知の者同士が道根往還で何十年ぶりにばったり再会。

新生活の夢を持って意気揚々と歩いた若者がいるかもしれない。

総数で言えば、道根往還は目をそむけたくなるような悲しみの方を多く目にしたのではないかな。

道根往還

唯一の救いは、平成の現在ではここ道根往還を通る人たちは皆全てご機嫌ということ。

ハイキング、マウンテンバイク、トレイルランニング。

楽しみの最中にいる人しか通ることがなくなった岡崎・道根往還の写真、ようやく明るい光を迎える100年になった。

道根往還

不幸な900年と、幸せの100年、その比率が逆転する900年先まで、私は道根往還の維持継続を願おう。

人の幸せを多く見て欲しいから。




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まつきよ

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