以前は朱雀門しかなかった平城京跡に、大極殿が出来上がっている。
今年は平城京遷都1300年祭が行われていて、そのメイン会場がここ平城京跡。
大極殿や遣唐使船が再現されて、当時の平城京を思い浮かべることができる。
これは古都奈良の歴史文化に触れられる貴重なパビリオンでしょう。
奈良市内も平城京遷都1300年祭で盛上がっているし、なんだか奈良万博みたい。
しかし、この日はあいにくの気温35℃、この広大な平城京跡を歩くのは苦痛でしかない。
相変わらず近鉄奈良線が平城京跡の真ん中を突っ切っているのは、ちょっと興醒めね。
玉のような汗をかきながら大極殿までたどり着き、昔の天皇のオフィスで一休み。
天皇が儀式の際に座っていた高御座は、煌びやかな装飾が施されていて、写真映えする。
庶民でも模造すればできるような台座だし、天皇とはいえ一個の人間なんだなぁ、
別に魔法が使えたりする特別な人間ではないんだ、と再認識。
大極殿内部の四方に描かれた四神(朱雀・玄武・白虎・青竜)に興味があるなぁ。
朝一番で行ったから、平城京歴史館の入場整理券も確保できていた。
平城京歴史館でビデオで学べたし、大シアターで遣唐使の苦難と活躍ぶりを見れた。
敬愛する空海もこの遣唐使船で唐に渡って、密教仏教を日本に持ち帰ってくれた。
そのお陰で、あの怪しく美しい密教美術の品々が、今の日本に残っている。
平城京跡はまだまだ増築・複元工事をするらしい、数年後にはより当時の姿に近づく。
華開いた平城京の文化を、時代を超えて自分の目にできる。
大和の住宅街を車で走る、今日は印象的な肉感美人に逢いに来ている。
秋篠寺の伎芸天立像、それが彼女の名前。
小じんまりとした清潔なお寺、苔が美しい秋篠寺。
思えば新薬師寺のバサラも、私が魅かれた仏像たちはこうした平和の中にいた。
伎芸天立像、それは言葉にならない色気。
わずかに傾けた彼女の身体から「豊満な、理性的な、でも憂いを帯びた肉体美」が流れてくる。
足を止め、しばらくの時間、その人と向き合っていたよ。
苔庭美しい秋篠寺を静かに歩き去ろう、心の中に伎芸天立像の美を抱えて。
秋篠寺の伎芸天立像、忘れられない人、思い出の美人。
平城京の西を代表するという意味か、西大寺という名前に引かれて訪れてみた
かつて西大寺は、百の堂塔が建ち並ぶ名刹で、東大寺と並ぶ規模だった
有名な西大寺の「愛染明王坐像」は、秋冬だけの開扉日だから逢えませんでした
灰谷健次郎さんが「兎の眼」と呼んだ善財童子は健在で、逢うことができた
金堂内には無数のランタンが美しかった
今はすっかり庶民寄りになった西大寺、というイメージ
他の有名な寺院と較べて訪問者は少なく、自分のお庭みたいに歩けます
過去の栄光を引きずった人は、これからどう成長していければいい?
その答えはわからなくて、西大寺を歩いてもヒントは掴めなかった