法起寺・法輪寺は斑鳩の寺院の準主役だろうが、法隆寺があまりに先に突き抜け過ぎていて、比べてはいけないぐらいの差がある。
とは言え、法起寺の三重塔は706年から現存する、日本最古のもの。
それだけで、もう個性があるではないか。
小泉出屋敷芦川公園の南、芦川土手から超望遠レンズで撮影した法起寺の三重塔の写真。
24メートルの高さの法起寺の三重塔が、森を背景にくっきり浮かび上がってきた。
1,300年以上立ち続けている老兵とは思えないしっかりとした足取り。
法起寺は「ほうきじ」と読むのが今は正式、昔は「ほっきじ」と習ったものだが。
収蔵庫に安置された十一面観音菩薩立像は素晴らしいが、
それと国宝・三重塔以外はこれといって名物はない。
聖徳太子ゆかりの法起寺、どうやら聖徳太子が没した後にできた法起寺だが、当時は仏教文化の中心地のひとつだったのだろう。
江戸時代に再建された講堂、中には入れずに外から見るのみ。
境内は庭園というか、野生味溢れる感じ、花が幾つも咲いている。
荒れているわけではないが、取り立てて整備されていることはない法起寺。
法隆寺を拝観した後に訪れたから、その差がはっきり見えてしまった。
主役の三重塔、飛鳥時代を知る存在、いかるがの地の表看板、象徴役。
ある意味、往時とほぼ同じような自然の姿が、今の法起寺だろう。
元の名を「岡本寺」、聖徳太子が法華経を教えていた場所である岡本宮が、この法起寺になったという。
聖天堂、150年前に再建されたもの。
斑鳩の田んぼ越しに撮影する法起寺三重塔は写真撮影名所、後ろの電線が邪魔だが。
法起寺境内から撮ってもつまらないため、法起寺三重塔は東にある田んぼを越えた、芦川の河川敷から望遠レンズで撮影しよう。
法輪寺(ほうりんじ)またの名を三井寺(みいでら)、こちらも聖徳太子ゆかりの古刹。
とにかく三重塔だ、ここ法輪寺でも。
ところが1944年に落雷で元々の三重塔が焼失、そして1975年に再建。
法隆寺・法起寺の塔と合わせて「斑鳩三塔」と呼ばれ、7世紀から続いていた法輪寺の三重塔だったのに。
写真撮影禁止で残せないが、法輪寺最大の見所は、講堂にある飛鳥時代の仏像群。
これは法隆寺のものにも引けと取らないぐらいに、傑作揃い。
のんびりした斑鳩の田園地帯・三井にある法輪寺、規模は大きくない。
無料駐車場が完備されていて、訪れやすい法輪寺、なんとか法隆寺から歩いてもいける。
パッと見ると年季入っていそうな三重塔、でもまだ再建から45年程度の若々しいお姿。
途中の斑鳩神社の階段から、天満池を望む。