妙心寺は驚き。普通に地元の方が自転車や車で境内を通行しているのだから。
広いよ、妙心寺の広さはハンパではない。
ひとつのお寺かと思いきや、様々な塔頭が敷地内に並び、その総称が妙心寺。
全てを回っていたらキリがないので、中でも一番有名な退蔵院を拝観させてもらう。
他の大寺院と比べれば、落ち着いて見れる穴場スポットだね、妙心寺・退蔵院は。
穏やかな夕刻、他の拝観者に気兼ねせず、じっくりと日本の美を味わう。
色合いの薄い枯山水の庭に、淡い桜が咲くと、命が吹き込まれたような気がする。
フランス人らしき方がいたが、僕だって彼と同じくこの風景に異文化を感じている。
自分の中にはない文化、現代の日常生活では味わうことができない文化。
退蔵院の庭前で座り込んだ僕、何かを読み取ろうとしたが、直感的に閃くものはない。
日本の美は分かる、金と時間と本気をつぎ込んで創り上げていることは分かる。
自分の感性だけでは、これ以上のことは分からないみたいだな、と腰を上げる。
退蔵院を出て、有名だという浴室とか、三門などを見る。
驚きの妙心寺、この広大な名寺院が、地元の道路代わりになっているということ。
その意識というか、慣習が美しいと思うよ。
日常にお寺がある生活、京都ならではのスローライフだと思うんだ。
「御室仁和寺」という敬称がつくように、古の天皇の発願のお寺。
御殿の庭園を歩けば、お寺じゃなくて高い身分の別荘だ、日本の美が見受けられる。
遠くに五重塔を望み、水と橋、緑が重なる景色は、穏やかでも強烈な美しさ。
廊下を歩いて、この御殿の主を気どる。
あれをこうした方がもっと美しい、とかを考えて、それは楽しい時間です。
特別公開をしていた霊宝殿で、大きな愛染明王を拝む。
貴重な薬師如来があって、仏像狙いの僕は仏像の前から離れない。
重要文化財の五重塔、青空に映える分かりやすい主役だよ。
金堂は国宝らしく、金に輝く美しい造り。
美を探す僕の目には、屋根の縁の金色が、インパクトを放っていた。
さぁ、これをどうカメラに写そうか。
やはり今の季節だから、桜にかぶせて撮ることがベストでしょう。
仁和寺の境内はずいぶんと広い。
水かけ不動などを眺めつつ、御室桜の方まで歩いて行く。
全体的に華やかな創りで、修行のためのお寺という雰囲気は感じない。
まだまだ御室桜は蕾です。
少し咲いていた部分があったから、五重塔にかけて撮ると良いね。
この御室桜が満開になった時を空想する。
背の低い御室桜、自分の目線で満開の桜を楽しめるのが良いね。
仁和寺が桜の名所と呼ばれる所以が分かる気がする。
こんなに一か所に集中する御室桜、満開の景色は格別に輝いているはず。
さて、僕は仁和寺の美を堪能して、次のお寺を目指すことにする。