綾渡の夜念仏、多くの飾りを必要としない行事。
愛知県豊田市・足助/香嵐渓から更に山奥、平勝寺の境内で8月10日/15日に行われるのが綾渡夜念仏。
この現代においても全てが人の力だ、肉声の念仏と手に持った鉦の音だけ。
お祭りではないな、亡くなった人たちへの慰霊の気持ち。
暗闇に包まれる直前の7時、平勝寺の参道を歩き始める行列、綾渡夜念仏の写真撮影ベストポイント
日本全国でも290件、愛知県では12件しかない「国指定無形民俗文化財」に指定されている綾渡夜念仏と盆踊り。
何もない、念仏の唱和だけがある、演出などは何もない、いらない。
この1年間に亡くなった人の家を訪れて念仏で慰霊をし、余興として盆踊りを見せる、お盆の伝統行事。
三河山間部で昔に行われていた夜念仏も、今ではこの綾渡に残るのみだと言う。
盆踊り、音頭取りが肉声だけで歌うのだ、マイクは使っているけど、録音した音頭ではない。
何も楽器はなく、下駄の拍子だけが聞こえる、これは鎮魂の踊りなのだ。
伝統を受け継いだ人たちの覚悟、その中でも楽しみを見出したようで生き生きとしている。
見物客にとっては珍しい夏祭り、子供たちは無邪気に走り回り、カメラマンはフラッシュを焚いて写真を撮りまくる。
本来、綾渡夜念仏は呑気に写真撮影をする場でもないのだろう、寛容に受け入れてくださり、ありがとうございました。
2024年3月2日
久しぶりの再訪、綾渡の平勝寺、あの夜念仏・盆踊りの記憶。
この参道の向こう側にカメラマンは陣取って行列を撮ったな。
この日は寧比曽岳までのトレイルラン、そのスタート地点として平勝寺を歩いた。
アメリカ赴任とコロナを経て、またいつか撮りたい日本のお祭り。
いつか再会、きっとまた撮れるさ、綾渡の夜念仏。